第3回 SourceForge.jpの基本操作をマスターしようSourceForge.jpではじめるオープンソースプロジェクト(2/2 ページ)

» 2007年06月15日 07時00分 公開
[安井 卓,ITmedia]
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バグ報告をしてみよう

 ソフトウェアを使っていると、必ずといっていいほどバグに遭遇します。バグのないソフトウェアなんてありえません。バグを発見したら、できるだけ開発者に連絡するようにしましょう。

 バグ報告は、sf.jpの「トラッキング」という機能を使って行います。トラッキングとは、バグ報告やサポート要求などがきちんと処理されているか、どのような議論がされてきたか、という履歴情報をアイテムごとに記録していくシステムです。また、アイテムに担当者や優先度を付けることができ、自分の担当アイテムが、マイ・ページに表示されるようになっています。

 トラッキングシステムがない場合、バグ報告をしても忘れられてしまったり、どのような議論があってどう修正されたかが分かりにくくなってしまうことが間々あります。多人数で運営する大きなプロジェクトだと、バグの処理もたいへんですから、sf.jpのようなトラッキングシステムがたいへん重宝します。

 また、sf.jpのサポート要求やバグ報告にも、このトラッキング機能を利用していますし、開発者でなくても登録はできますから、トラッキングの機能を覚えておきましょう。

 sf.jpへのサポート要求を例にトラッカーへの登録方法を説明しましょう。

 サポート要求のページを開くと、トラッキングアイテムの登録画面になります(画面3)。登録時には、タイトル(サマリ)や内容のほかに、カテゴリとグループも指定できます。カテゴリはそのプロジェクトで開発中のパッケージの種類など、グループはバージョンなどで分けていることが多いです。カテゴリやグループはプロジェクト管理者によって決められた中から選択します。プロジェクトによっては、カテゴリやグループによって初期担当者が決まっている場合がありますので、できるだけ指定するようにしてください。

画面3 画面3 トラッキングアイテムの登録

 例えば、sf.jpにログインできないときは、以下のように入力すればよいでしょう。

カテゴリ: SourceForge.jpサービス

サマリ: SourceForge.jpにログインできません

詳細な内容:

SourceForge.jp に登録したのですが、ログインできません。

ログインしようとすると、トップページに戻ってしまいます。

OSはDebian/GNU LinuxでブラウザはGaleonを利用しています。

sf.jp のアカウントは「foobar」です。


 また、トラッカーはパッチなどを登録できるように、ファイルのアップロードも可能になっています。ファイルをアップロードする場合は、ファイルの説明を適切に書きましょう。また、プロジェクトによっては、ログインしていないユーザーからのバグ登録やパッチ提供を受け付けていない場合があります。

 sf.jpのサポート要求では、そのサポートがきちんと終わると「Close」するようにしています。こうすることで、サポートし忘れたまま放置されるということをなくすことができます。トラッカーに登録したアイテムは、基本的にはすべて公開され、状態が「Deleted」になっても、情報は残ります。そのため、公開してはいけないような情報(プライバシーにかかわることなど)は書かないでください。

 きちんと入力したら、「登録」をクリックしましょう。登録完了した旨が表示されます。

 後は、トラッカーのステータスが変わるたびにメールが送られてきます。また、サポート要求では、サポート内容をメールで受け取ることになります。

サイトドキュメント

 sf.jpには、機能や使い方を説明する「サイトドキュメント」が準備されています。さまざまなドキュメントがありますので、一度すべてのドキュメントに目を通すようにしてください。よく聞かれる質問はFAQとして掲載していますから、サポートで質問する前に、ドキュメントに書かれていないか確認しましょう。

 サイトドキュメントは、左側のメニューの中程にあるリンクからアクセスします。URLはhttps://sourceforge.jp/projects/sourceforge/docman/です。

SourceForge.jpのサポート

 さて、サイトドキュメントに書かれていなかったりして、操作方法が分からないということもあります。また、sf.jpでプロジェクトを運営していると、管理者権限が必要になる作業がいろいろと出てきます。そのようなときには、sf.jpチームのサポートを受けることができます。

 トラッキングの説明のところで書いたように、sf.jpのサポート要求は、トラッキング機能を利用して実現しています。ページ左側のSourceForge.jpメニューから「サポート連絡先」をクリックすると、さまざまなケースごとの連絡先がリストアップされます。

 プロジェクトのサポート要求は通常は、先ほど紹介したsf.jpのサポート要求ページから行えます。サポート内容はできるだけ詳しく記述してください。どのような操作をしたらそうなったか、何をしてほしいのかなどを明確に書いてください。そして適当な「カテゴリ」を選択してください。sf.jpではカテゴリにあわせて初期担当者が決まるようになっていますので、選択されていない場合は、サポートが遅れる可能性があります。

 これらのサポート内容はすべて公開されます。公開するとまずいような場合は、直接「sf-admin@sourceforge.jp」宛にメールを送ってください。

 また、sf.jpシステムのバグなどを見つけた場合は、バグ報告ページを利用して報告してください。こちらもすべて公開されてしまいますので、セキュリティにかかわるバグは「sf-admin@sourceforge.jp」宛に送ってください。

 今回はsf.jpの基本操作について説明しました。次回からは、いよいよプロジェクトの運用について見ていくことにします。

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著者プロフィール

安井 卓

VA Linux Systems Japan(株)/ Debian Project


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