データセンターの仮想化と移行問題に取り組むHPユーザー

HP Technology Forum & Expoでは、ユーザーグループEncompassが行う仮想化や移行プロジェクトに関するセッションに注目が集まる。

» 2007年06月19日 14時11分 公開
[Scott Ferguson,eWEEK]
eWEEK

 ラスベガスで開催されるHP Technology Forum & Expoでは、ハードウェア、ストレージ、仮想化、IT管理の最新動向に来場者の注目が集まりそうだ。

 業界を取り巻く激しい変化の中、Hewlett-Packard(HP)の最大のユーザーグループであるEncompassは16万人の会員に対して、これらのチャレンジに正面から取り組む準備をするよう促している。

 約7000人の来場者が見込まれている今年のフォーラムでは、HPとEncompassは、500を超えるブレークアウトセッションと300の体験ラボを用意している。そのうち数十のセッションは、仮想化および同技術がデータセンターを根底から変えつつある現状にフォーカスしたものだ。

 ハードウェアやストレージ製品の最新動向をテーマとしたセッションもあるが、Encompassのニーナ・ビューイック会長によると、同グループの会員は仮想化に関するアドバイスをできるだけ多く得たいと願っているようだ。仮想化技術がIT管理に与える影響や、同技術への投資から最大の効果を得る方法について知りたがっているという。

 「仮想化の仕組みや、その利用方法および管理方法など、この技術が大きなテーマになる」とビューイック氏は、6月18〜21日に開催されるフォーラムの初日に語った。

 テキサス州オースティンに本社を置くSilicon LaboratoriesのITディレクターで、Encompassの前会長だったクリスティ・ブラウダー氏によると、同氏の会社では最近、仮想化技術の導入を進め、IT部門にサーバを200台追加した上で、さらに200の仮想マシンを追加した。こういったデータセンターの大幅な増強に際しては、ITマネジャーはプロジェクトに関連した資本コストを常に把握しておかなければ、コストを管理できなくなるという。

 「現在、あらゆる環境で仮想化が進んでおり、多くのユーザーがこの技術の開発やテストについて知りたがっている。ユーザーはこれが投資プロセスであることを忘れてはならず、こういったプロジェクトを開始する前にプロセスを準備しておく必要がある」とブラウダー氏は話す。

 ビューイック氏によると、仮想化に関するセッションに加え、Encompassでは移行プロジェクトや移行に関する問題にフォーカスした「MSIG」(Migration Special Interest Group)と呼ばれる新しいサービスもユーザーのために用意したという。MSIGはもともと、ミッションクリティカルなアプリケーションを古いレガシーシステムから新しいハードウェアに移行することを検討している会員や、移行作業を開始した会員向けのユーザーサポートグループとしてスタートした。

 さらに同氏によると、MSIGは、IntelのItaniumプロセッサを搭載したHPのハイエンドシステムへの関心が再び高まっているという状況にも対応するという。

 こういった問題に加え、HPが提供を開始した新たなソフトウェア/管理ツールを分類する作業をEncompassの会員とHPが共同で進めている。Mercury Interactiveなどの企業の買収を通じてHPはソフトウェア製品ラインの拡大を始めたが、これはユーザーの間で多少の混乱をも引き起こしたようだ。

 「われわれはHPソフトウェアのミステリーを解こうとがんばっている」(ビューイック氏)

 今回のショウでEncompassが取り組むもう1つの問題は、IT担当者が経営により深く関与する必要性に関する問題だ。その背景には、IT機能のアウトソーシングが進み、コンピューティングリソースをリモートで管理・監視する必要性が高まっていることがある。

 また、Encompassの会員の間では、HPの「BladeSystem c-Class」ブレードサーバおよび同社の各種ストレージ製品への関心も高まっている、とビューイック氏は付け加える。

 Encompassは2005年以降、フォーラムのテーマの策定でHPに協力してきた。2002年にCompaqを買収して以来、HPは複数のユーザーグループを1つのカンファレンスに結集させることを目指してきた。

 またEncompassでは、既に解散したInterexグループのメンバーの多くを取り込もうとしてきた。HPのユーザーグループの1つであったInterexは、2005年に活動を停止した。

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