マイクロソフトは同社初めてのERPアプリケーションである「Microsoft Dynamics AX 4.0」を、いよいよ6月20日から市場投入する。容易なカスタマイズ性を売りに、パートナーとの協業を基本姿勢に同分野へ挑む。
マイクロソフトは6月20日、同社初となるERPアプリケーション「Microsoft Dynamics AX 4.0」の発売を開始した。
Microsoft Dynamics AXは、会計管理や生産管理、人事管理といった基幹業務アプリケーションを統合したERP製品。Officeなどとユーザーインタフェースを統一し、かつユーザーの手による容易なカスタマイズ性を持たせており、すでに全世界130カ国で9年間に7500超のユーザー実績がある。50〜500人規模の基幹システムとして、中小中堅から大企業の部門にまで対応する機能を備えている。日本語版としては和暦への対応はもちろん、手形管理機能の拡張や月次請求書対応(合計請求書)、全銀協フォーマットへの対応などが図られている。
特徴としてポータルおよびビジネスインテリジェンスの機能が組み込まれているため、意思決定層におけるデータ活用や分析が容易にできる。またOfficeとの連携機能もあり、日常使い慣れたExcelやWordといったアプリケーションにデータを取り込んで活用することも可能。さらに業務あるいはユーザーの好みに即して入力画面や表示のカスタマイズを行うことが出来る。
内部はモジュール構造をとっており、サプライチェーン、生産管理、プロジェクト管理、会計管理といったものの中から利用する機能を選択して運用することができる。またサードパーティーによるアドオンを実装することによる拡張性も備えている。
同社業務執行役員 マイクロソフトビジネスソリューションズ事業統括本部 統括本部長の宗像淳氏は、「アドオンによるカスタマイズソリューションなど、すでにERP導入の経験豊富なパートナーの資産と連携することで市場を開拓していきたい」と話す。単にパッケージアプリケーションとしてではなく、ソリューションやカスタマイズのプラットフォームとして利用される形態を戦略として進めていく。また競合製品については、「それらをリプレースするということではなく、既存のシステムやソリューションとの連携および補完という形で市場に入っていくことは出来ると思う」としている。
製品ラインアップは、会計管理の基本的な機能を備えた「Microsoft Dynamics 4.0 Business Essentials Edition 日本語版」と、生産管理やSCMなどの機能を備えた「Microsoft Dynamics 4.0 Advanced Management Edition 日本語版」の2製品で提供される。価格はBusiness Essentials Editionのサーバ用、および同時使用ユーザーライセンス(1名分)がそれぞれ27万10円(推定小売価格)、Advanced Management Editionのサーバ用、および同時使用ユーザーライセンス(1名分)がそれぞれ47万7545円(推定小売価格)となっている。
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