組織を超えたつながりを――アドビシステムズの取り組みとは

アドビシステムズは6月27日、都内で記者発表会を開き今後の戦略と新製品について説明した。「社内外のエンゲージメント」をキーワードにアドビは今後どのような取り組みを行うのか。

» 2007年06月27日 20時15分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 アドビシステムズは6月27日、都内で記者発表を開催し、社内外におけるビジネスのエンゲージメント(つながり)を目指す戦略とそれを可能にする新製品について説明した。

 「人とアイデア、人と情報の関わりを変革する」。同社プロダクトマーケティング&戦略担当バイスプレジデントのジェフ・ワトコット氏は、アドビの役割を端的に説明した。企業にとって顧客、パートナー、取引先など社外とのつながりは、ビジネスの上で切っても切り離せない関係にある。ところが企業と社外をつなぐオンラインサービスの多くがまだ十分に利用されていない。例えば行政機関や金融機関のオンラインサービスでは、利用率がそれぞれ40%、10%にとどまっているという。

画像 「市場におけるLiveCycle ESの成長力を継続していく」と説明するジェフ・ワトコット氏

 2007年6月にアドビが発表した「Adobe LiveCycle Enterprise Suite(LiveCycle ES)」は、開発環境やドキュメント生成、情報セキュリティなどの企業向けソフトウェアを集めたスイート製品。PDFやFlashが備えるリッチでセキュアなユーザーインタフェースを駆使してビジネスプロセスを自動化する。これにより各種申請や登録手続き、クレーム処理などこれまで複数の人間が関わらなければならなかった業務が改善でき、オンラインサービスの利用促進に寄与する。

 一番の特長は、従来のPDF中心のサーバ機能から、Flashを統合したサーバスイートへと拡張したことだ。PDFフォームからFlashフォームへの変換に伴うガイド機能も同時に提供される。

 またLiveCycle ESでは、ソリューションの適用範囲が拡張された。RIA(Rich Internet Applications)やデスクトップアプリケーション環境を含むデータキャプチャ、Officeファイルや3D/CADフォーマットに対する情報セキュリティなど、広範なエンドユーザー環境への適用ができる。さらに電子フォーム生成やデジタル著作権保護、電子署名など各種のソリューションコンポーネントで構成されるため、拡張性に優れている。

 同社マーケティング本部の小島英揮部長は「LiveCycle ESは、プロセス自動化に必要な全ての機能を同時に提供する。また政府機関や金融サービス、製造業、ライフサイエンスなどさまざまなシーンで活用できる」と締めくくった。

画像 社内外のエンゲージメント格差を解消するサービス

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