赤字プロジェクトは回避できるか――日本オラクルとSENA Systems、ID管理の導入支援で協業

日本オラクルは、ID管理ソリューションに強みを持つ米SENA Systemsと「Oracle Identify Management」の導入支援で協業すると発表した。

» 2007年06月27日 22時04分 公開
[横田貴司,ITmedia]

 日本オラクルと米SENA Systemsは6月27日、オラクルのID管理製品「Oracle Identify Management」の導入支援で協業すると発表した。

 SENA SystemsはID・アクセス管理ソリューションに特化したSI企業。フォーチュン1000のうち、250以上の企業を手がけており、大規模システムに強みを持つという。CEOのロバート・レビン氏をはじめ経営陣に金融関係出身者が多く、コンプライアンスを早くから意識してきた企業という。

来日したSENA Systems創業者のマニーシュ・バンダーリ氏

 両社の協業の背景として、アクセス権やID管理製品への投資が、脆弱性管理への投資を上回る勢いで増加していることがある(IDC Japan調査)。日本オラクル 常務執行役員 システム製品統括本部長の三澤智光氏は、このような状況をふまえ、2007年は最後の日本版SOX法準備年。内部統制をきっかけにID管理への関心が高まると予測する。また、2008、2009年と実際に日本版SOX法への対応が始まることにより、ID管理の本格的な取り組みと予算化がスタートするとしている。

ID管理市場の成長予測

 ここで問題となるのが、実際にどのように導入・実装していくかである。今後ID管理へのニーズが高まる中、それに対応するだけの専門リソースは、すでに不足が予想されている。

ID管理導入の問題点を解説する日本オラクル 三澤氏

 また、顧客へのコンサルティングに関しては、特に大規模のインプリメントは海外が先行しているというのが実情で、国内ではまだ事例がそれほど多くないためナレッジが海外ほど蓄積していない。そのため顧客から不満の声があがることも少なくないという。いわゆる「赤字プロジェクト」は、スタートの段階で要件定義やプロジェクト規模の設定の誤りが原因になることが多く、ベンダー、インテグレータともにコンサルティングの強化が求められている。

 オラクルはこの課題を解決するため、SENA Systemsとの提携を行う。日本国内で不足している大規模ID管理基盤の構築ノウハウをSENA Systemsから得ることで、国内パートナーへの技術支援を行っていく。

 サービスとしては販売前のサポートからトレーニング、開発、サポートなど、ID管理プロジェクトの全フェーズを対象とするという。

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