マイクロソフトと香川県は、ITを活用した産業振興を図る「ITベンチャー支援プログラム」を共同実施する。またIT啓蒙のため、キャラバンバスで四国各地を巡る活動も行う。
マイクロソフトと香川県は7月4日、高松商工会議所において、ITを活用した県内産業の振興を図るため、「ITベンチャー支援プログラム」を実施して相互に協力・連携していくことを発表した。あわせて中小支援のためのキャラバンバスを四国で走らせ、ITによる地域支援を行っていく。
この日、両者は高松商工会議所において同プログラムの実施に関する覚書を交わした。香川県内のITベンチャーおよび中小IT企業に対して、マイクロソフトは開発ツールなどの提供や研修への招待、Webサイトでの紹介といった技術およびマーケティング面でのサポート、香川県は対象企業の募集および選定や自治体による支援、広報活動などを行っていく。
マイクロソフト社長のダレン・ヒューストン氏は、「これを契機に、県下中小企業のIT化経営が促進され、それが四国全体に広がっていくことを希望している」として、協業を早期に現実の形に変えていき、地域経済に貢献していく所存を述べている。真鍋知事も「将来性のある企業を選定し、ITを活用した産業の振興を図りながら地域経済を拡大していきたい」とした。
またこの日、同じく高松商工会議所内において、県内中小企業のIT経営を支援、啓発するセミナー、「かがわIT経営応援隊・IT経営キャラバン隊in高松」が開催された。
同セミナーは、かがわ産業支援財団を事務局とする「かがわIT経営応援隊」、日本商工会議所など12団体および企業からなる「IT経営キャラバン隊」、四国経済産業局、そして高松商工会議所による共同開催で、四国内では初めて開催となる。県内中小企業の競争力強化や付加価値増大のために、ITを活用した経営を提案、モデル化企業の創出を狙う。
セミナー開催前には、かがわIT経営応援隊のキックオフセレモニーと、IT経営キャラバン隊の出陣式が行われた。セレモニーには、高松出身の衆議院議員 平井卓也氏が駆けつけ、中小企業に対して「欧米と比較すると日本においてはITのツール導入とともに考え方の浸透も遅れている。国際競争の視野をも持ってIT活用に取り組み、ぜひ次の扉を開ける経営をしていただきたい」とメッセージを発した。
またIT経営キャラバン隊は、マイクロソフトやインテルといったベンダーのほか、ITコーディネータ協会やTKC全国会、日本商工会議所など12の団体や企業によって設立されたもの。マイクロソフトが「チャレンジ号」というキャラバンバスを提供し、全国各地を巡回して実機体験のできるITセミナーを各自治体などとともに開催している。IT経営モデルや電子自治体モデル、再チャレンジモデル、ブロードバンド教育モデルといったセミナーコンテンツを持って、今後は四国各地で中小企業や地域市民へのIT啓蒙活動を行っていく予定。なお、キャラバンバスはもう1台存在し、そちらは「マイクロソフト号」として同社の製品を中心としたソリューションのデモンストレーションを各地で行っている。
マイクロソフトのPLAN-J推進本部で本部長を務める秋本則政氏はIT経営キャラバン隊について、「インターネットが普及したと言えども、日常でITへの関わりを持たない人々がいざさまざまなITの情報を得ようと思っても難しい。こうした人々に直接コンタクトして、意識改革の部分から啓蒙することができる」とキャラバンの効果を説明する。現在までの活動もアプローチ合計が1万2000人へ達するなど一定の効果をあげており、同事業推進部IT経営キャラバン隊担当部長の白水公康氏は、「キャラバン号は各地からの引き合いも強く、活動を今年一杯の予定から2008年3月まで延長することに決めた」という。今後、四国においては今治、徳島、松山での開催を予定しているという。
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