OLS 3日目:シンクライアントとOLPC(2/3 ページ)

» 2007年07月10日 13時00分 公開
[David-Graham,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

携帯電話上のLinux

 OLS 3日目の次のセッションは、Motorola社モバイルデバイス部門/CE Linux Forumのスコット・プリース氏による「Linux携帯電話BoF」だった。プリース氏はまず自己紹介とテーマの紹介から始め、Linux搭載ハンドヘルドは2012年には約2億400万台が販売される見込みだと述べた。なおMotorolaは、同社のハンドヘルド製品のほとんどにLinuxを搭載する予定だという。

 Linuxは実験するのに優れたプラットフォームであり、またそのような理由から優秀な人材が集まってくるとのことだ。現在、多くの人々が Linuxを学びたいと考えていて、その数はSymbianやWindows向けの開発を学ぶことに興味のある人の人数よりも多いのだという。プリース氏によるとLinuxは、大規模なシステムのための能力を保持しながらも小規模なシステム用に調整することが可能(適宜必要に応じて変更することができる)になっていて、堅実な技術とのことだ。

 最近、Linuxをハンドヘルドに採用する企業が団結して提携関係を築くためのイニシアティブを数多く設立しているという。プリース氏は主要な4つのイニシアティブとしてLinux FoundationConsumer Electronic Linux ForumLinux Phone Standards ForumLinux in Mobile Foundationを挙げた。

 またLinuxハンドヘルドに取り組みんでいるオープンソースプロジェクトも挙げ、携帯電話についてのコミュニティーとしての取り組みがあるGNOMEプロジェクトや、(チップにハードコードされるGSMスタック以外については)完全にフリーな携帯電話用スタックの作成を目指しているOpenMokoプロジェクトなどを紹介した。なおOpenMokoプロジェクトは、会社組織に基づく、コミュニティースタイルのコード中心のプロジェクトとのことだ。

 プリース氏はさまざまなLinuxハンドヘルドのための組織をかなり詳しく説明したが、その後同氏の雇用主であるMotorolaがGPL違反をしているらしいということからセション部屋にはピリピリとした空気が流れ始めた。セッションに参加していた何人かの聴衆によると、MotorolaはLinuxベースのハンドヘルドをすでにリリースしているにもかかわらずそのデバイスのソースコードを公開していないので、GPL違反に該当するという。

 Access Linuxのデビッド・シュレジンジャー氏は興奮気味に、同氏の会社では、デバイス自体のリリースよりも遅くなることなく、すべてのコードを公開するようにしていると述べた。

 プリース氏は、MotorolaがGPLについての苦情を真摯に受けとどめるよう再確認して、問題に取り組むことを約束した。

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