XML DBの本格的な普及を見据えたイベント DB2 9 Star Festival 2007が開催(1/2 ページ)

7月9日、東京・港区において、日本アイ・ビー・エム主催の「DB2 9 Star Festival 2007」が開催され、XMLデータベースのさまざまな活用例が紹介された。

» 2007年07月11日 00時00分 公開
[井上健語(ジャムハウス),ITmedia]

 7月9日、東京・港区において、日本アイ・ビー・エム主催のイベント「DB2 9 Star Festival 2007」が開催された。XMLデータベースによって業務効率を向上した事例、パートナーによるDB2 9ソリューション、XMLデータベースの現在と将来など、さまざまなセッションが行われた。その中から、2つのセッションについてレポートする。

異なるXMLデータを一元的に表示・編集できるコンパウンドドキュメントを実現

 ジャストシステム 代表取締役 浮川和宣氏のセッションでは、同社のXMLテクノロジーであるxfy(エクスファイ)の概要、およびXMLアプリケーションフレームワーク「xfy Enterprise Edition 1.5」の企業での活用とそのメリットについて、具体的なデモを交えたプレゼンが行われた。

 xfyは、XMLの異なるボキャブラリーを同時に表示・編集できるテクノロジーだ。Webページを記述するXHTML、ベクターグラフィックスのボキャブラリーであるSVG(Scalable Vector Markup Language)、数式を表現するMathMLなど、異なるボキャブラリーを1つの文書内で表現し、かつ編集もできる「コンパウンドドキュメント」が実現できる。しかも、これらの表示・編集機能はコンポーネントとして開発し、必要に応じて自由に組み合わせることができる。

 データは1つで見た目をさまざまに変更できる「ワンソースマルチビュー」も強調された。具体例として、業務フロー図と業務記述書の2つのドキュメントが示され、片方を変更すると他方のドキュメントへ即座に変更が反映されるデモが行われた。どのビューから変更してもデータは1つであるため、データの変更がすべてのビューにリアルタイムで反映されるという。

xfyによる金融機関向けマニュアルソリューション

 より具体的なxfyの活用例としては、金融機関向けのマニュアルソリューションが紹介された。

 金融商品取引法の施行に伴い、金融機関には金融検査マニュアルに即した事業業務マニュアルが求められている。しかし、必要な情報を網羅的にすべてのマニュアルへ確実に反映することは困難だ。そこで、xfyによってドキュメントを部品化して管理し、部品を変更すれば、その部品を利用しているすべてのマニュアルが更新されるような仕組みをxfyで実現しようとするものだ。

 例えば、金融商品のリスクに関するドキュメントが部品として登録されていて、この部品がさまざまな金融商品のマニュアルで利用されているとする。この場合、リスクに関するドキュメント(部品)を変更すると、この部品を利用しているすべてのマニュアルのリスク説明の項目が自動的に更新される。

 金融商品ごとにマニュアルを別々に制作・管理することに比べると、情報の網羅性や一括更新性に優れ、制作編集プロセスも大幅に省力化できるソリューションである。

 そのほかにも、J-SOX法に対応するためのIT基盤として、あるいは企業の財務諸表などを記述するためのXMLベースの言語であるXBRLの編集環境として、xfyテクノロジーの優位性がアピールされた。

浮川和宣氏 ジャストシステム 代表取締役 浮川和宣氏
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