日本アイ・ビー・エム ソフトウェア事業 インフォメーション・マネジメント事業部長 服部 嘉賜氏のセッションは、発表から1周年を迎えたDB2 9を取り巻く環境を整理するとともに、ハイブリッドデータベースとしてのDB2 9の特徴、XMLデータベースの今後の市場動向などがプレゼンされた。
服部氏によれば、XMLデータはブログ、RSS、Office文書などで利用され、あらゆる業界でデータ交換フォーマットとして採用されるなど、すでに広く世の中に浸透し、いわゆるコモディティ化が進んでいると言う。
しかし、それに対してXMLデータベースは、それほど普及してこなかった。その原因としては、XMLのスキルを持つエンジニアの不足、パフォーマンスや運用性・堅牢性の課題などが挙げられる。だが、最近ようやくこれらの阻害要因が払拭され、XMLデータベースが拡大フェーズに入ったという指摘がなされた。XMLデータベース市場が2011年に100億円に達するとされるデータなどが示され、XMLデータベースが本格的に普及するのは、これからであることが強調された。
DB2 9の最大の特徴は、pureXMLをサポートしたハイブリッドデータベースであることだ。従来のRDBのXMLサポートが、XMLデータをシュレッディングしてRDB上で管理していたのに対し、DB2 9はXMLデータのツリー構造をそのまま格納することができる。
これを「pureXML」と呼ぶが、pureXMLによって、DB2 9はXMLデータに対して高い検索性を発揮し、データ変更にも柔軟に対応できる。同時に、従来のRDBデータも扱えるため、企業内の構造化されたデータ、非構造化データをまとめて格納することが可能だ。
実際のpureXMLの適用事例としては、医療や薬品、製造業、運輸業での例が紹介された。あわせて、pureXMLベースのパッケージ製品もいくつか紹介された。前述のジャストシステムのxfy Enterprise Edition 1.5もその1つとなる。
最後に、XMLソリューションの支援体制として「XMLイノベーションセンター」(XIC)のオープンがアナウンスされた。これは、9社のパートナーと共同でXMLソリューションを支援するWebサイトおよびパートナー間のネットワークで、さまざまなフェーズで顧客に対してソリューションを提供することを目的としている。パートナーとなる9社は以下のとおり。
ソリューションパートナー
インテグレーションパートナー
研修パートナー
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