バーチャルと現実とのはざまで――震災、選挙、書店、セカンドライフから見えるものオルタナブログ通信(1/3 ページ)

大きな被害があった新潟県中越沖地震。このような災害においてITの果たす役割とは? 一方、セカンドライフ日本語β版が公開された。バーチャルとリアルの境界線は――オルタナブログは、ITにかかわる時事ネタを独自解釈で発信するブログ・メディアである。

» 2007年07月22日 13時16分 公開
[森川拓男,ITmedia]

「新潟県中越沖地震」とIT

 7月16日10時13分ごろ、新潟県上中越沖を震源とするマグニチュード6.8の地震が発生した。この地震は気象庁により「平成19年新潟県中越沖地震」と命名された。この不順な気候の中、避難所で不自由な生活を強いられている被災者の心労は想像以上のものだろう。筆者としても、1日も早い復旧を祈念している。

 オルタナティブ・ブログでも、この地震のことに触れたエントリーが幾つか投稿されている。

 高橋徹氏「代替案のある生活」新潟県中越沖地震 - その時、私は長野市内にいましたを投稿、実際に見聞きしたことから、対策がどうあるべきかということまで考察している。ただ、寄せられたコメントにもあるのだが、高橋氏が「古い建物を受け継いで使用」したことを「行政に無駄なお金を使わない」として、「どこかの省庁も見習って欲しい」というのだけは違和感があった。以前より倒壊の危険性が指摘されていたのならば、何よりもまず補強すべきだったろうとは思う。それは決して無駄ではないからだ。軸となるべき庁舎もなくなってしまえば、困るのは市民の側なのだから。しかし、それくらい切り詰める精神は見習うべきだというのは、コメントを寄せた読者と同意見である。

 林雅之氏「『ビジネス2.0』の視点」に投稿された地震発生を事前に通知する「緊急地震速報」の一般向け開始(10月)の効果を考えるは、地震のような自然災害とITとの関連を改めて考えさせてくれた。この秋にもスタートするという緊急地震速報システムの一般向け提供を始めとして、ネットを利用した災害に対する取り組みは、林氏が書くように今後注目されていくだろう。

 災害時に必要なのは、情報の共有である。そこで活用したいのがITだが、果たして実際のところはどうだろうか。さまざまな情報をサーバに集約させて、それにアクセスさせることで簡単にできるように思うだろう。

 しかし、そこへアクセスするための手段はどうだろうか。家が全壊、半壊してしまうような状態では、PCからのアクセスは望めない。そもそも、ネットの回線も通じているかどうか疑問である。いまの時代はケータイだ――これも、充電ができずに使えなくなったという話も聞く。さらに、地震などでケータイの基地局が崩壊した場合などどうなるのか。

 このような災害時対策をクリアすれば、ITが果たす役割は、今後ますます大きくなっていくに違いない。

 また、磯島大氏「磯島大の「マーケティング夢想」(^_^)」は、地震から発生した原発の問題について、「柏崎刈羽原子力発電所6号機の放射性物質の漏えいについて」という発表についてというエントリーを投稿している。

 これは、何もここで問題視される東京電力だけの話ではないような気がする。例えば、政治家、大臣の話でも、このような奥歯に物が詰まったような物言いは目立つ。というか、いま正にその渦中にあると言ってもよいだろうか。

 今回の東京電力の場合は、一般には分かりづらい放射能漏れの話なので妥当である、というコメントも寄せられているが、筆者としては磯島氏と同じ疑問を拭えなかったのは確かだ。

ブログらしい盛り上がりを見せた今週のランキング

 130組を越えるオルタナティブ・ブロガーが参加するITmediaのビジネス・ブログメディア「オルタナティブ・ブログ」で、1週間に投稿された内容から、筆者の視点でピックアップし、読者にナビゲーションする目的で連載しているのが「オルタナブログ通信」だ。読者がオルタナティブ・ブログを読む際の参考にしてほしいと思う。

 今回は、7月12日〜7月18日に投稿されたエントリーの中から、冒頭で取り上げた「新潟県中越沖地震」とITのほか、セカンドライフネット時代の書店ネット時代の選挙著作権法改正といったキーワードから筆者の視点で取り上げてみた。

7月12日〜7月18日を最新としたオルタナティブ・ブログのステータス

 このグラフは、7月12日〜7月18日を「7月2週」として、オルタナティブ・ブログの「見える化」を行ったものである。それぞれ開始日を基準にして、8週間分のデータをグラフ化しているので見ていただきたい。

 今回、オルタナティブ・ブログに投稿されたエントリー総数は前回とほぼ同じ157(前回比+1)ながらも、投稿されたブログ数は51(前回比−4)と減少していることが特徴的だった。中でも、1つのみの投稿をしたブログが15(前回比−8)と、前回増加した以上に減少しているのが目に付いた。グラフを見ると、基本的に横倍ながら低調にあることがうかがえる。これが今後、どう推移していくのか、注目したい。

 さてここで、7月9日〜7月15日の週間アクセスランキングから幾つか紹介しよう。

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