「W-ZERO3でユビキタスと経費節減」、欲張りすぎて撃沈?システム管理の“ここがヘンだよ”(2/3 ページ)

» 2007年07月24日 07時00分 公開
[池田冬彦,ITmedia]

社員が使いたがらないソリューション?

 しかし、最も深刻な問題は意外なところにあった。電話をW-ZERO3に切り替えたにもかかわらず、なぜか社員は携帯電話を持ち歩いている。話を聞いてみると「W-ZERO3はサイズが大きくて、携帯電話のようにポケットに入らない。みんなカバンの奥底に入れているので着信に気づかない。通じないことが多く、携帯電話は必須」というのだ。

 また、発信するまでの操作手順が多く、電話機として使うには少々面倒だ。中には机の上に置きっぱなしにしている人もいる。使い方がややこしく、しかもかさばるので持ち歩きたくない。携帯電話さえあれば十分……これでは導入した意味がない。

 だが、連絡事項のメール配信(同報メールはCCまたはBCCで送信)については、ITスキルの区別なく、現場の誰もがそのメリットを認めている。電話でスケジュールや全体のプロジェクトの状況を確認し合うのは時間の無駄で面倒だし、しかも間違いも多い。場所を選ばず、誰もがメールでコミュニケーションできるW-ZERO3は、これを解決する切り札となるはずだ。全員に携帯させてメールの積極活用を促すために、情報システム部の今後のかじ取りが試されている。

現場で使ってみて分かったこと

  • OSや付属ソフトの制約が多く、PCより使いこなしが難しい。初期導入時、社員の負担が増えてパフォーマンスが落ちる。一定のITスキルのない社員にとっても負担増に
  • 携帯電話としては重くて大きいので、みんな持ち歩きたがらない。また、電話機能が使いにくい。今どきの携帯電話の方が操作が楽。W-ZERO3導入のメリットが見えないので、使おうというモチベーションが上がらない。社員の持ち込みPCの懸念は解決しなくなる
  • メールによるコミュニケーションは、連絡の迅速化や確実性をもたらす。今後は、電話によるコミュニケーションとどう切り分けて使いこなしていくかが焦点
  • 付属アプリケーション(Pocet Word/Excelなど)の機能はPC版と比べてかなりの制約があり、書類を活用することが難しい。「ノートPCの代わり」という考えは改めた方がよさそうだ


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ