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» 2007年07月31日 18時52分 UPDATE

Oracle OpenWorld Asia Pacific 2007 Report:ミューチップもセカンドライフも――先端技術でビジネスに結び付けるOracleのR&D

イベントの開幕に先立ち、Oracleはアジア・太平洋地域にあるの6つの研究開発センターの取り組みを披露した。

[谷川耕一,ITmedia]

 Oracle OpenWorld Asia Pacificのオープニングに先立ち、イベント開催直前である27日に、アジア・太平洋地域にある6つの研究開発センターである「Oracle Asia Research and Development Center」、および13のソリューションセンターを連動させた研究開発の取り組み成果の一部がプレス向けに披露された。

ユビキタス・センサーの情報をさまざまに活用

 展示会場に設けられたデモブースでは、日立のミューチップを利用したRFIDによるトレーサビリティソリューション、および各種ユビキタス・センサーを活用し、さまざまな情報が顧客に提供できる様子が紹介された。このデモンストレーションは、Oracle Fusion Middlewareの「Oracle Sensor Edge Server」や「Oracle Database 11g」をベース技術としたユビキタスコンピューティングのフレームワークにより構築されているという。

 このデモは、お店でワインを購入し、そのワインをセンサー読み取り機にかざすと、ワインの醸造に利用されたブドウの管理状況までもが把握できるという内容。センサーが読み取った情報を基に醸造場所の地図が表示され、ワインの醸造に利用されたブドウの倉庫の位置が地図上に瞬時に示される。そして、表示された倉庫にアクセスすれば、温度センサーを利用して蓄積された時間ごと、日ごとといった詳細なブドウの温度管理記録がすぐに参照可能となるのだ。さらに、ロケーション情報を用いてGoogle Mapsなどの地図情報ともマッシュアップ連携し、配送や製品のトレーサビリティ情報をさまざまな形でユーザーに提供できる。

画像 ユビキタス・センサーのビジネス活用について説明するセロー氏

 「ミューチップのようなRFIDは、1つのセンサーに過ぎない。温度センサーや光センサーなどほかにも数多くのセンサーがあり、将来的にはそれらユビキタス・センサーから得られるさまざまな有用情報が、顧客に対してリアルタイムに提供されるようになる」。Asia Research & Development Center執行副社長のパスカル・セロー氏は、ユビキタス・センサーの活用ソリューションについて、このように語った。

 世の中にはRFIDだけではなく、さまざまなセンサーが稼働しており、それらから多様かつ莫大な量の情報がリアルタイムに収集できる。そして、得られた情報は必要に応じて利用しやすい形に加工され、コンシューマーに対しても提供されるようになるという。

 また、携帯端末のGPS機能を活用、顧客の現在位置を確認しながらリアルタイムにパーティーへの招待状況を把握するという、携帯端末の先端機能と業務用のCRM(Customer Relationship Management)システムを連携させる例も示された。携帯端末のGPS機能で位置情報を確認できること自体は、日本のユーザーにとってはそれほど目新しくはないかもしれない。しかし、単にリアルタイムに位置が分かるだけではなく、それをどのようにビジネスに結び付けるのか、そのために既存のアプリケーションとどのレベルで連携させ、その際に必要となるものをOracleが研究開発しているのだ。

 このような分野の研究成果が実現されれば、例えば日常的に行われている購買といった行為にも、大きな変革が訪れるだろうとセロー氏は話す。

仮想と現実の連携をビジネスに昇華させるOracle

 トレーサビリティのほかにも、最近話題のセカンドライフなどの仮想空間における活動をどのようにビジネスにつなげていくのか、それをOracleの技術がどのように支援するのかといったデモンストレーションも紹介された。仮想空間の中でワインを購入した情報が、リアルタイムにOracleのCRMアプリケーションに渡される。ワインメーカーではいつ、誰が、何を購入したかといった現実的な世界でも得られる情報だけでなく、仮想空間でやり取りされる商品の評価情報などもリアルタイムに得られるようになるという。

画像 現実とセカンドライフの仮想空間とのデータ連携を実演

 セカンドライフはhttpベースのWebサービスのインタフェースを持っているため、仮想空間と既存のビジネスアプリケーションを連携させること自体は、かなり容易かつシンプルに実現できるという。異なるビジネス要素をいかにして仮想空間の中で融合させるのか。また、現実空間と仮想空間でいかにシームレスに連携させるのか。仕組みとしてはすでに確立している技術だが、それをビジネスという観点からうまく利用できるようにする研究に、Oracleというエンタープライズ領域の中心にいるベンダーが取り組んでいる。この事実は、仮想空間がビジネス領域として発展することを予測させるには、十分なものだろう。

 また、先端技術を応用してビジネス的な利用を実現していくためには、セキュリティやリアルタイム性といったことが重要なキーワードとなる。これら先端技術をビジネスに応用するための研究開発が、日本を含むアジア地域を中心に進められているというのも興味深い。今回紹介されているデモンストレーションも、日本、韓国、中国、シンガポール、インドなど複数の研究拠点のコラボレーションによって実現している。今後、アジア地域にいる技術者や研究者の応用力が問われることになりそうだ。

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