「VPNは、IPsecよりSSLよりレイヤ2で」――米SafeNet(2/2 ページ)

» 2007年08月08日 07時00分 公開
[井上猛雄,ITmedia]
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米国政府“お墨付き”の強固な暗号化セキュリティ

 さらにEthernet Encryptorは、先ごろ「FIPS 140-2 Level 3」を満たす製品としても認定された。これは、FIPS(米連邦情報処理規格)が認める最高レベルのセキュリティ規格であり、官公庁のみならず、ビジネス分野においてもハイレベルな製品として適用できる証でもある。

 「われわれは、政府の基準を満たすトップセキュリティ製品と、それを少し変更して商用にも利用できる製品を考えている。金融系などの大企業では"good enough"(まあまあ)では不十分で、より強力なセキュリティが求められているからだ。商用製品でも最高グレードのセキュリティを提供していく」とソルターべック氏は強調する。

 暗号化セキュリティは、日本市場で特に関心が高い。また最近では、事業継続性(Business Continuity)の観点からもスポットが当てられている。ソルターべック氏は「商用のビジネスでは、事業継続性を重視した暗号化セキュリティの適用例が半分以上」とし、最近は米国でも事業継続性を重視した導入傾向が強いことを示唆した。これは、データセンターと拠点間のデータ送受信を広帯域で、かつ安全にやり取りする実装事例であり、高速ネットワークでの利用を牽引する要因になっている。

 「D2D(Disk to Disk)でリアルタイムのミラーリングを考えると、10Gbpsぐらいの帯域が必要。現在、われわれが関心を持っているのは、より高速な通信を実現するInfiniBandや、SONET/SDH、高速イーサネットの技術だ」とソルターべック氏は話す。今後このマーケットは、10Gbpsから40Gbpsを超えて、一挙に100Gbpsに移行してしまうかもしれないという。

 そのため、今後の展開として、より高速な次世代の暗号化ソリューションを出していく意向だ。ソルターべック氏は、「今後2年間、半年に1回ぐらいのサイクルで新製品が登場するだろう。近いうちに10Gbpsイーサネットに対応する製品を投入する。また、2008年後半にかけて40Gbpsにも対応していく予定だ」と今後のロードマップを示した。

 国内の販売戦略については、パートナー企業や販売会社と協力して市場を広げていきたいという。先ごろ、アズジェントが同製品の販売を開始するとアナウンスしている(関連記事)。

 ソルターべック氏は「日本はセキュリティ、ポリシー、コンプライアンスの分野や、ネットワーク設計・実装面での技術に秀でている。日本市場に向けて、強固なセキュリティソリューションをベンダーと協力して提供していくチャンスがあるはず。また、この市場に向けた特有の暗号化アルゴリズムをデバイスに組み込むなど、共同開発も考えられるだろう」と述べ、今後も技術面で大きな投資を続けていく考えを示した。

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