きっとエイエスピー、「SaaSの屋台」となるプラットフォーム製品を販売

きっとエイエスピーは、企業がSaaSビジネスを始めるためのプラットフォーム製品を販売する。

» 2007年08月09日 20時26分 公開
[藤村能光,ITmedia]

 きっとエイエスピーは8月9日、米Jamcrackerと提携し、SaaSプラットフォーム製品の販売とレンタルを日本国内で開始すると発表した。

 自社のビジネスにASPやSaaSを取り入れようとする企業は多いが、すべての企業がセールスフォース・ドットコムのように成功するとは限らない。むしろASPやSaaSビジネスをどう展開すればいいか分からないと考える企業は多い。ASPベンダーとの親交が深いきっとエイエスピー代表取締役社長の松田利夫氏は「企業の技術者や開発者は、ネットワークやOSは自分で管理できるが、アプリケーションの運用管理には長けていない」と現状を分析する。

image きっとエイエスピー 松田利夫氏

 「しかし、彼らはアプリケーション運用の方法が分からないだけで、運用に対する興味はある。アプリケーションをサービスとして利用できるプラットフォームが必要とされている」と松田氏は続ける。

 同社はそこに切り口を見いだした。「SaaSビジネスを展開しようとする企業のために、どんなアプリケーションやサービスを取り入れればいいかを検討できるプラットフォームを与える」。このサービスは「いわばSaaSプラットフォームという屋台を各企業に提供する」(松田氏)ものだ。その製品が「Pivot Path/JSDN」と「きっとアプリケーション・サービス・プラットフォーム(K-ASP)」だ。

 Pivot Path/JSDNは、サービスプロバイダーやデータセンターなど各種サービス事業者向けに、ソフトウェアのサービスをオンデマンドで提供するJamcrackerのプラットフォーム製品。ヘルプデスク、課金、集金、決済、インフラ管理など、オンデマンドサービスに必要な機能が備わっている。これにより企業はサービスやアプリケーションをPivot Path/JSDNと連携させ、SaaSとして提供できる。製品はレンタル方式で月額1万円から。

 K-ASPは「Pivot Path/JSDN」にきっとエイエスピー独自のソフトウェアや技術を加えたもので、社内のアプリケーションをSaaS化するための製品。クライアントアプリケーションの処理をサーバ側の仮想OSで実行し、クライアント側に画面情報だけを転送するサーバサイドコンピューティング(SSC)構築ソフト「GO-Global」、アプリケーションソフトウェアをサーバに集めて一括管理し、オンデマンドでクライアントに配信するストリーミングツール「Appstream」、高品質のイメージドキュメントをクライアントの要求に応じて形式や大きさを変換するドキュメント配信サーバ「eRez」、Windows、Linux、メインフレーム、オフコンなどさまざまなプラットフォームのプリンタ出力ができる技術「きっとプリント」の4つが組み込まれる。企業は社内のさまざまなパッケージソフトや自社開発のプログラムなどをオンデマンドで配信できるようになる。価格は100ユーザーで500万円から。

 「企業は自社のサービスとほかのサービスを組み合わせて、独自のソフトウェアサービスを提供するプロバイダーになることも可能。われわれはそれを支える製品を提供する。ソフトウェア版の楽天のようなイメージだ」(松田氏)

image SaaSとして提供されるサービス群

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