ヤンキース奇跡の大逆転が日本の景気を左右する!?景気探検(1/3 ページ)

景気は今年に入ってすっきりしない状況が続いてきた。しかし、今後も緩やかな拡大を続けていきそうだ。そして、人気球団ヤンキースの動向が注目される。

» 2007年08月13日 07時00分 公開
[景気探検家・宅森昭吉,アイティセレクト編集部]

 直近の6月分の消費者心理関連データは消費者態度指数や景気ウォッチャー調査・家計動向関連をはじめとして弱含んだものが多かった。年金問題や定率減税廃止による住民税の負担増などが、消費者や消費関連業者のマインドを悪化させたようだ。

 しかし、6月下旬から7月上旬までの期間で調査した日経消費DIなどのデータからは一時的に悪化が止まったことが分かる。前年の6月分の消費水準が天候不順やガソリン価格上昇などでかなり悪かったことの反動や、土曜日が今年1日多かったことで、百貨店売上高など実際の6月分の消費データは前年同月比が良くなったものも多かったからだ。

 なお、一部に特殊事情で伸び悩んだものもある。例えば、コンビニの売上高の前年同期比が良くないのは昨年7月のたばこ増税に起因する駆け込みの反動が出たためだ。

 せっかく、消費マインドが持ち直しかけたところに、台風4号と中越沖地震で7月14日〜16日での3連休のレジャーが取り止めとなったり、部品の供給が難しくなったことで自動車生産が一時的には落ち込むなど、景気に水をかけ不透明さを強めたと思われる。また、参院選での与党の歴史的大惨敗や日経平均株価の動きも懸念材料になった。

 しかし、代表的な経済指標である実質GDPは10〜12月期・1〜3月期と前期比年率5%台、3%台の高い伸び率になっていた。4〜6月期については前期比年率1%弱程度に鈍化したという事前予想だ。しかし、実質GDP成長率はならしてみれば、それなりの数字である。

 6月分の鉱工業生産指数・速報値は前月比1.2%増と4カ月ぶりの増加となった。生産の回復を示す結果だ。

 4〜6月期の前期比は0.1%増で横這い圏ながら2四半期ぶりの増加になった。

 先行きを製造工業予測指数でみると、7月・8月とも前月比増加の見込みだ。7月10日時点の調査なので中越沖地震の影響は含まれていないため、輸送機械工業中心に7月分は大きく下振れることが予想される。ただし8月分の高い前月比見込みは多少の下振れを考慮しても、生産は一時的なもたつき局面を抜け、先行き持ち直すことを示唆する数字になっている。

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