企業もWeb 2.0の波に乗れ

革新的な技術の幾つかは、先ずコンシューマー市場で注目を集め、その後、ビジネス市場でも広く使われるという経緯をたどってきた。ガートナーのアナリストは、Web 2.0の技術を「さらなるイノベーションの機会」として捉え、企業は積極的に取り組むべきだ、と話す。

» 2007年08月21日 10時00分 公開
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 「企業もWeb 2.0の波に乗れ」── こう話すのは調査会社ガートナーでコンシューマー技術が企業ITに与えるインパクトをリサーチするデビッド・スミス副社長だ。彼は、コンシューマー市場で人気を集めているWeb 2.0の技術に対して、「避けられない厄介なこと」と捉えるのではなく、「さらなるイノベーションの機会」として、企業のIT部門は積極的に取り組むべきだ、と話す。

 過去の例からも分かるとおり、革新的な技術の幾つかは、先ずコンシューマー市場で注目を集め、その後、ビジネス市場でも広く使われるという経緯をたどってきた。パーソナルコンピュータ、インターネット、インスタントメッセージング、ブログなど、例を挙げていけばきりがない。

 「最も典型的な例としては、Windowsがある。Windows 3.0はまるでオモチャのようなものだったが、Windows 95、98と改良が進むとコンシューマー市場でブームが起こり、やがて企業の標準的なクライアント環境として定着していった」(スミス氏)

 ガートナーでは、コンシューマー市場がビジネス市場に影響を与えることを「コンシューマライゼーション」(Comsumerization)という造語で表現し、2005年には、ITのコンシューマライゼーションが、向こう5年間で最も大きなトレンドになると予測している。

photo  リアルコム 取締役 吉田健一氏

 「日本企業もWeb 2.0に対しては問題意識を持っている」と話すのはリアルコムで最高マーケティング責任者(CMO)を務める吉田健一氏。

 社員は、家に帰ればミクシィで自由に語らい、Googleの電子メールサービスでは受信ボックスの容量制限を気にすることもない。余勢を駆るインターネット企業も、ビジネス市場への攻勢も強めている。Google Appsが良い例だ。しかも、広告さえ気にしなければ、すべて無償で提供されている。

 昼間に会社で使っている情報システムの不便さが際立つばかりだが、それでも情報システム部門が、Web 2.0の本格的な採用に踏み切れないのは、なぜだろうか?


Web 2.0の単なる模倣ではダメ

 「どのようにガバナンスを効かせればいいのか、といった課題も多いし、そもそもWebの世界とエンタープライズは全く別物だ」と吉田氏は話す。

 確かに、ユーザーのわずか1%でも数百万人というボリュームがあり、それによって支えられているWebの世界と、大多数の社員に活用してもらわなければならない企業の情報システムとは別物だ。Webの世界はベストエフォートでも許されるのに対して、企業の情報システムではSLA(Service Level Agreement)に基づいて品質を保証しなければならない。

 ただ、ガートナーのスミス氏が話すとおり、Web 2.0の波は必ず企業ITにも押し寄せ、その在り方に大きなインパクトを及ぼす。コンシューマー市場の技術は、企業の顧客である一般消費者の行動を変え、社員のワークスタイルも変えてしまうからだ。

 吉田氏は、「何かふわふわしているWeb 2.0だが、先ずは『集合知』と『マッシュアップ』という2つの具体的なソリューションから企業は検討してはどうか」と提案する。

Web 2.0は集合知とマッシュアップから

 Webの世界では、ブログやSNS、Wikiのような新しい技術によって、より多くの人たちがネットワークに参加し、自発的な情報発信を始めている。これらの情報が集積すれば、素晴らしい知識の宝庫になる、というのが集合知の着眼点だ。

 しかし、多くの企業が社内でブログシステムを構築しているにもかかわらず、全社で活用されているケースは少ない。Webの世界ではユーザーがわずか1%でも活性化するが、企業ではそうはいかない。

 組織の問題もある。ブログのようなWebのツールはパーソナルなものだが、企業の組織は依然としてピラミッド型で上手く適合しない。それでも業務に直接関係すれば使わざるを得ないが、情報共有のためにさらにブログも書かなければならないとすれば、社員は負担に感じるだけだろう。

 集合知を得るには、業務と組み合わせ、自然とナレッジが蓄積していく仕掛が必要となるし、柔軟な場を構築できる機能が欠かせない。

 「企業には、第1の組織である『事業部』、第2の組織である『プロジェクトチーム』だけでなく、『勉強会』のような第3の組織もある。こうした組織の種類ごとに柔軟に場を構築でき、セキュリティも設定できる機能が求められる」と吉田氏。

 リアルコムでは、こうした場の違いに着目し、全社および部門の情報共有の場、プロジェクトチーム単位でのコラボレーションの場、そして第3の組織である各種の社内コミュニティーを柔軟に構築し、そこに蓄積される情報を共有・活用したり、ポータルを介して組み合わせたり、使い分けたりできる「KnowledgeMarket」を提供している。

エンタープライズ2.0を実現するKnowledgeMarket

 KnowledgeMarketは、(1)エンドユーザーがさまざまな情報を直感的にマッシュアップできるポータル機能、(2)柔軟な場の設定機能、(3)コミュニケーションツール、および(4)すべての情報を人にひもづけて自動的に「Know-Who」(ノウフウ:だれが専門家なのかを知る仕組み)を構築する機能から構成される。

photo KnowledgeMarketの全体像

 Webの世界では、人と人をつなぐSNSが人気だが、会社の組織はまだ「ネットワーク」になりきれていない。そのため、SNSをツールとして単に導入しただけでは活性化しない。ここにもWeb 2.0の模倣だけでは、いわゆる「エンタープライズ2.0」を実現できない理由がある。

 そこで効いてくるのが、Know-Whoだ。例えば、ブログや掲示板への書き込みのような、社員のアクティビティに着目し、Know-Whoを構築すれば、それを介して人と人を結びつけ、組織の壁を越えた知識の活用が実現できる。実際、リアルコムの顧客である大手メガバンクでは、社内の電子電話帳システムにKnow-Whoのデータベースを組み合わせ、組織の壁を越えたコラボレーションのためのゲートウェイとして活用しているという。

 肝心のコミュニケーションツールも、一方向のフロー情報を発信する「ブログ」だけではなく、蓄積型の「ライブラリ」、双方向の「Q&A」および「プロジェクト」(掲示板)といった、コミュニケーションのパターン(下の図を参照)に応じて4つのツールをそろえる。

photo コミュニケーションのパターン

 また、AJAXを活用し、エンドユーザーでも直感的に情報をマッシュアップできるポータルも重要な構成要素となっている。ユーザーは、例えば、タブで「場」を切り替えて「公式」(事業部)と「非公式」(勉強会)の社内情報を使い分けることができるだけでなく、社外のさまざまな情報もマッシュアップできるからだ。

 「もはや、1つのツールで完結する時代ではない。グループ会社を対象にしたASP型のサービスや、いわゆるSaaSもファイアウォールの外からやってくる」と吉田氏。

 リアルコムは、ばらばらに導入されてきた情報共有のためのシステムを上手くつなぎ、あたかも1つであるかのように生かしていく製品やコンサルティングサービスに強みを持つ。ファイルサーバ向けの「FileServer intelligent」やLotus Notes向けの「HAKONE」は、その良い例といえる。

 吉田氏は自社のビジネスを「リフォーム型ビジネス」と呼ぶが、既存のシステムと情報を生かしつつ、Web 2.0の波を新たなイノベーションの機会として取り組む企業には、検討すべきソリューションとなるだろう。

REALCOM エンタープライズ2.0 Day 開催決定!
テーマ 企業を変革するエンタープライズ2.0
日時 2007年9月26日(水) 10:30〜16:45
会場 秋葉原コンベンションホール(地図)
定員数 250名
参加費 無料
主催 リアルコム株式会社
協賛 EMCジャパン株式会社、日本アイ・ビー・エム株式会社、ノックス株式会社(50音順)
協力 グーグル株式会社
メディア協力 @IT、ITmedia エンタープライズ、ITmedia エグゼクティブ、TechTargetジャパン

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提供:リアルコム株式会社
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年9月20日