富士通、サプライチェーン全体のBCM強化

富士通は、部品などの調達におけるBCMを強化すると発表した。サプライヤーのBCM能力を独自に評価して、事業継続性の確保を求める。

» 2007年08月21日 20時49分 公開
[堀哲也,ITmedia]

 富士通は8月21日、部品などの調達における事業継続性マネジメント(BCM)を強化すると発表した。サプライヤーを独自に評価している指標「Supplier's Performance Review」(SPR)にBCMの項目を加え、事業継続性の確保を求めていく。2007年度からPC、携帯電話の事業部門と連携し、先行導入。2008年度以降、全事業部門へ適用を拡大する予定だ。

 事業継続性マネジメントが求められるのは、同社約1000社の取引先のうち金額ベースで91%を占める主要300社。富士通では、1997年からこれら優良取引先とのパートナーシップ強化を目的に、定期的に評価結果をフィードバックするSPRの仕組みを構築してきた。近年では、環境なども評価項目に加えられているが、BCMもこれに加わることになる。

岡田晴基氏 富士通取締役上席常務の岡田晴基氏

 BCMについては、経営BCM能力と部品BCM能力の2つに分け、109項目(トライアル時)で評価。SA・A・B・C・Dの5段階でランク付けする。Cランク以下のサプライヤーには、富士通と富士通総研(FRI)が共同でBCP策定支援を行い、サプライチェーン全体のBCM能力底上げを図る。

 また有事の際には現在、電話とメールによる確認を行っているが、今後は、携帯電話を利用した安否確認システムとEDIインフラ「ProcureMART」と連携させ、緊急時対応インフラも構築する予定という。

 会見した富士通取締役上席常務の岡田晴基氏は「主要300社についてはCランク以上であると思っているが、BCM支援はできるだけ無償で提供したいと思っている」と話した。

 またFRIでは2007年度下期から、この評価モデルをリファレンスにした「サプライチェーン継続性評価サービス」を外販する。まずは電子機器メーカーの購買部門をターゲットに提供する予定だという。

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