ApacheとWebDAVを用いたコラボレーション型オーサリングプラットフォームの構築Leverage OSS(2/2 ページ)

» 2007年08月24日 11時59分 公開
[Murthy-Raju,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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davfs2

 ファイルブラウザレベルの対応度でもWebDAVを利用できないことはないが、低レベルでのサポートが行われていないため、非WebDAV対応アプリケーションではリソースの効率的な運用はできない。そうした場合に便利なのが、davfs2という各自のファイルシステムにWebDAVフォルダをマウントさせるためのLinux用ファイルシステムドライバである。これを介してマウントされたWebDAVリソースは、仮想的なローカルリソースとして扱えるようになる。

 このdavfs2では、Cインタフェースに対応したneonというWebDAVクライアントライブラリを利用しているので、neonがインストールされていない環境ではそのダウンロードとインストールが必要である。davfs2本体に関しては、ソースアーカイブのダウンロードと展開、root権限でのconfigure、make、make installといった通常の手順によるインストールが完了すれば、ファイルシステムにWebDAVフォルダをマウントできるようになる。

 こうしたdavfs2のインストール後、例えばローカルホスト側の/mnt/davをマウントポイントとしてexample.comにあるサーバのdavディレクトリをマウントするには、コマンド「mount -t davfs http://example.com/dav/ /mnt/dav」を実行すればいい。

 davfs2のサポートするマウント機能は、プロキシを介して接続するクライアントからでも実行できる。またdavfs2では、基本的な認証機能やKerberos認証など、各種の認証スキームもサポートされている。クライアント証明の格納位置、プロキシ関連の設定、各種のタイムアウト値といったdavfs2設定を変更するには、/usr/local/share/davfs2/davfs2.confにある設定ファイルを編集すればいい。

バージョニング機能のサポート

 先のサンプルの場合、Apacheの設定ディレクティブ「Dav on」にて指定位置に対するDAV機能を有効化し、ファイルシステムとのバックエンドのインタフェースとしてデフォルトのファイルシステムプロバイダ(ドライバ)mod_dav_fsをセットアップしている。このプロバイダに課せられている主要な役割は、メタデータ管理およびロックの機能を提供することと、サーバ側のファイルシステムとのインタフェースを取ることである。mod_davはモジュール構造を採用しているので、デフォルトのmod_dav_fs以外のプロバイダも使用できる。冒頭で触れたmod_dav_svnもそうしたドライバの1つであり、これを利用するとWebDAVからSubversionリポジトリにアクセス可能となる。mod_dav_svnのダウンロードとインストールは、RPMファイル形式で実行できる。mod_dav_svnに関する基本設定としては、Apacheの設定ファイルに後記の行を追加すればいい。

DAVLockDB /var/lib/dav/lockdb

<location /dav>

Dav svn

SVNPath /var/www/davrepo1

</location>


 SubversionとApacheの併用法の詳細については、Version Control with Subversionのページにある解説を参照していただきたい。

 WebDAVで得られるのは、Web経由で操作する形式の書き込みメディアだと思えばいいのかもしれない。つまりWebDAVは、単に従来型のファイル共有機構の代用品となるだけではなく、バージョニング機能をサポートしたクロスプラットフォームで利用可能なツールとして機能するのであり、うまく使いこなせばコラボレーション作業の簡単化と生産性の向上をもたらしてくれるはずである。

Murthy Rajuは、インドのRishi Valley Schoolにてコンピュータサイエンスを教えるかたわら、Linuxベースの小規模なコンピュータネットワークも管理している。またシステム/ネットワーク管理者およびテクニカルサポートとして、Linux、UNIX、Windowsプラットフォームで使用する各種のオープンソースおよび商用製品を扱ってきた7年間の経験も有す。


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