シマンテック、ストレージ環境を統合管理するNetBackup 6.5を発表

シマンテックは、企業の複雑なストレージ環境を統合管理するプラットフォーム「Veritas NetBackup 6.5」を発表した。

» 2007年09月05日 23時34分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 シマンテックは9月5日、大規模ストレージ環境向けのデータ管理プラットフォームの最新版となる「Veritas NetBackup 6.5(NBU 6.5)」を、9月11日から出荷すると発表した。

 NBU 6.5は、6月に開催されたSymantecの年次カンファレンス「Symantec Vision 2007」で発表され、同社が掲げるストレージ環境の統合化を推進する「Strage United戦略」に基づく新製品となる。

 Symantecは、Veritas買収後からNetBackupプラットフォームによるストレージデータの効率的な管理や保護のソリューション開発を進めてきたが、最新版ではテープバックアップや仮想テープライブラリ(VTL)、ディスクバックアップ、レプリケーション、CDP(継続データ保護)などのさまざまなデータ保護手法を、1つのプラットフォームで実行できるようにする。

浅野百絵果リージョナルプロダクトマネジャー

 シマンテックマーケティング本部プロダクトマーケティング部の浅野百絵果リージョナルプロダクトマネジャーは、「名称からマイナーバージョンアップのような印象を与えるかもしれないが、実際には大規模なバージョンアップに匹敵する内容」と述べた。

 NetBackupを構成する製品はこれまで14種類以上にも及んだが、NBU 6.5からは「Standard Client」「Enterprise Client」「Application&Databese Pack」の3種類の基本パッケージに整理され、これらのパッケージとオプションを組み合わせる。

 ライセンス体系には、「キャパシティモデル」と呼ばれるデータサイズに応じて課金する新しいモデルが追加された。キャパシティモデルは、1テラバイト単位で保護対象となるデータの総量に応じて課金される。

 ユーザー企業が購入時に申請したサイズ内であれば、サーバ数やソフトウェア数などの制限がない。参考価格は、保護するデータ総量が1テラバイトでStandard Client1台構成の場合が200万円から。従来のサーバライセンスは、サーバおよびクライアント1台ずつの構成で60万円からとなる。

 キャパシティモデルについて浅野氏は、「大規模な環境ほどコストメリットが生まれる。ただし、導入後に保護するデータ総量が増えると想定される場合には、サイズに余裕を持たせて購入することを勧める」と話している。

 技術本部プロダクトSE部の中島孝一シニアプリンシパルシステムエンジニアは、「バージョン4.0から注力するディスクバックアップの機能進化を図った」と、機能面での特徴を説明した。

中島孝一シニアプリンシパルシステムエンジニア

 新機能の1つとなる「ストレージライフサイクルポリシー」は、バックアップ対象データの重要性に応じたライフサイクルポリシーを定義することで、バックアップデータの移動や消去などプロセスを自動化する。

 「サーバロードバランス」機能では、バックアップ処理を行うサーバ間での負荷分散とフェイルオーバーによってサーバの使用率を高める。障害時には異なるサーバへ自動的に処理を引き継がせるため、データバックアップ処理の信頼性を向上するとしている。

 2007年末または2008年初頭のリリースを計画するPure Diskの新バージョンとも連携を予定し、バックアップデータの重複排除を行うことでデータ総量を減らせるという。

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