「NECがライバル」――ネットマークスらユニシスグループがUC構築サービス

日本ユニシス傘下のネットマークスとユニアデックスがユニファイドコミュニケーションの新ブランドを発表。NGN時代のオフィスコミュニケーション分野でトップシェアを獲ると宣言した。

» 2007年09月06日 17時18分 公開
[堀見誠司,ITmedia]

 日本ユニシスグループのネットマークスとユニアデックスの2社は9月6日、ユニファイドコミュニケーション(UC)システムの新ブランド「PowerWorkPlace」を発表した。新ブランドの第一弾となるモバイルアクセスを連携させたソリューションの提供を年末より開始する予定。日本ユニシスは、同ブランド商品事業で200億円の売り上げを目指す。

 日本ユニシスはICT(Information and Communication Technology)事業の強化を目的に、UCのインテグレーションに強みを持つネットワークインテグレーターであるネットマークスを6月よりグループ傘下に収めた。PowerWorkPlaceでは、同じユニシスグループのユニアデックスとの買収後初の連携ソリューションとして、両社の強みを生かしたUCシステムをユーザー企業にワンストップで導入する。

画像 日本ユニシス 籾井勝人代表取締役社長は「グループ内のシナジー効果を狙った共同作業を推進するが、効果を出せるまでにはもう少し時間がかかる」と話す

 具体的には、シスコシステムズ製品のインテグレーションで実績のあるネットマークスが「Unified CallManager」などのIPテレフォニー製品で音声コミュニケーションシステムを構築し、ユニアデックスが無線LAN端末や携帯電話、PDAによる企業内FMC(Fixed Mobile Convergence)を実現するモバイルアクセスインフラ、およびマイクロソフトの「SharePoint Server」「Exchange Server」「Live Communications Server」を利用した、ユニシスのノウハウを生かしての情報共有/業務アプリケーション連携システムを構築する。ユーザーは、PCか携帯端末かを問わず、メールやスケジュール情報、プレゼンス情報を確認したり、アプリケーションからClick to Call機能で直接通話したり、また将来的には、音声認識技術を使って音声のみで通話操作ができるようになるという。

画像 PowerWorkPlaceでシステム連携基盤となるのはSharePointのWebサービス

 システムの構築や保守・運用は2社がそれぞれ担当する部分について行うが、顧客のサポート窓口はコールセンターを有するユニアデックスが受け持つ。

 PowerWorkPlaceは当面、シスコとMSの製品を中心としたソリューションとなる。ただし、競争関係にもあるシスコ/MSのシステム連携をさらに図っていく一方で、「他社の製品を組み合わせたマルチベンダーシステム化を進める」(ユニアデックスの角泰志情報執行役員)としている。システムの導入費用は、ネットマークスによると数千万〜4億円程度になる。

画像 「ICTソリューション分野でトップシェアを目指す」とユニアデックスの角氏

 また角氏は、グループ3社の協業で、ネットワークからサーバまでのインテグレーションをカバーする次世代の企業向けICT分野においてトップシェアを目指すと述べた。その上で「競合となるのは(「UNIVERGE」を擁する)NEC」だという。ユニシスでは、PowerWorkPlaceのほかにも順次、グループ企業連携によるICT基盤システムのブランドを増やしていく考え。

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