携帯電話を活用したビジネスサービスを強化するクレオ

モバイルソリューションのネットジーンと合併したクレオは、業務システムと携帯電話を連携させたサービスの強化を進めている。

» 2007年09月11日 08時00分 公開
[國谷武史,ITmedia]

 5月10日にモバイルソリューションのネットジーンを統合したクレオは、新たにモバイル事業部を組織した。クレオが従来から強みとする業務システム分野と携帯電話を連携させたビジネスサービスの強化を進めている。

 旧ネットジーンは、携帯電話とCRMシステムの連携(関連記事)やNTTドコモおよびKDDI向けの児童防犯システム(関連記事)を手がけてきた。クレオでも携帯電話端末のデータを管理する「携帯レスキュー」などを手がけてきた。

 2社は2006年10月に資本、業務提携を行った。最近ではモバイルサイトを利用したマーケティングだけでなく、業務システムと携帯電話の連携など、携帯電話に対する企業ニーズが多様化していることから、さらなる連携強化を目的として2007年5月に完全統合を果たしている。

箕作大執行役員モバイル事業部長

 箕作大執行役員モバイル事業部長は、「社員1人にPC1台の時代になったと言われて久しいが、実際には外出の多い営業部門のような1台のPCを複数の社員で共有する現場が非常に多い。PCを持たない人たちにこそ携帯電話の活用が最も求められている」と話す。

 モバイル事業部では、携帯電話を利用したさまざまなソリューション開発に着手しているが、重点分野の1つとしているのが会計/人事給与パッケージ「CBMS ZeeM」と携帯電話の連携である。業務システムと携帯電話の連携はグループウェアやSFA(営業支援)システムとの間で行われているケースが数多いが、バックオフィス業務向けのシステムと携帯電話を連携させる例はまだ少ない。

 「技術、サービスの進化によって携帯電話が情報インフラとして注目されるようになった。また、近年は正社員だけでなく契約社員やパートタイムの従業員も含めた労働環境の整備がますます求められており、こうした背景から携帯電話の活用を検討する企業が増えている」(箕作氏)

 CBMS ZeeMとの連携で、まず対応を進めているのが給与明細の発行や勤怠情報の入力・管理、経費清算の申請などの項目との連携だ。ユーザーとなる従業員は、携帯電話のWebブラウザやメールから各種の情報を入手したり、入力を行ったりすることができる。

 これらの項目は紙の文書で通知したり、タイムカードで管理したりするのが一般的だが、携帯電話を利用することで管理業務の効率化や迅速化が図られるだけでなく、紙資源などのコスト削減にもつながる。ユーザーが情報検索などプライベートでも頻繁に利用するブラウザを用いるため、導入時のコストや負担が少ないのが特徴となる。

 同社では今後、業務システムとの連携だけでなく、携帯電話本来のコミュニケーション用途に着目したビジネスアプリケーションの開発にも着手する方針だ。箕作氏は「これからPCの操作よりも携帯電話に慣れたモバイル世代が社会に進出してくる。企業にとってモバイルへの対応はますます重要な課題になるだろう」と話している。

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