ラクな作業で人材採用の精度を高める!有能社員をとらえよ、手放すな! デキる逸材の「獲得術」(1/2 ページ)

人材採用にかかる手間はかなりのもの。合理化された作業で、欲しい人材を手にすることができたら……。ITツールで、その実現も夢ではなさそう。

» 2007年09月18日 06時00分 公開
[岡崎勝己,アイティセレクト]

 復調の兆しを見せる日本経済。それに呼応する形で、新卒の採用活動が多くの企業で再開され、優秀な人材の「奪い合い」が激しさを増している。将来、企業の中核として活躍するであろう人材の確保は、競争力の基盤を固めることにつながるからだ。

 そうした採用環境の変化を受け、ソフトブレーングループは2006年10月、採用ツール「e採用マネージャー」の販売を開始した。ソフトブレーン・インテグレーションで採用プロセスマネジメント事業推進のプロダクトマネージャーを務める若杉健太氏は、「景気が回復傾向にあることを受け、人材が不足気味の企業が少なくない。そういう企業を中心に、優秀な新卒の採用や早期退職の防止に活用を見込めそうなツールについて、多くの問い合わせが寄せられていた」と、同ツールをリリースした背景を説明する。

情報共有できないことが問題に

 新卒の採用活動は、人事部門に多大な負荷をかける。多数の応募者への応対をはじめ、会社説明会などの準備、面接に当たっての社内調整など、さまざまな作業が限られた採用期間内に集中して発生するためだ。多くの企業ではこれまで、人事部門内で作業を分担することで対応に当たってきた。

 ただ、「大手企業を中心に採用活動にITを取り入れる企業は増えているものの、現状では、まずは紙ベースで応募者の情報を管理することが一般的」(若杉氏)だ。そのため、人事部門内で情報共有を徹底させることが難しく、応募が増えるほど対応漏れなどのミスが生じるリスクが高くなっていた。

 ソフトブレーンでも4年前に始めた新卒採用で当初、他社と同様に情報共有をいかに徹底させるかで頭を悩ませていたという。「売り手市場」といわれるようになった現在の新卒採用の環境下で、同社に対する学生からの応募数はエントリー段階で採用予定数の数十倍に達している。それ故、その懸念は深刻さを増してきた。

営業支援ツールを流用することに

 そうした状況の中で着目したのが、看板商品の営業支援ツール「eセールスマネージャー」だった。営業の各プロセスで発生した情報を「履歴」として適切に管理するための同ツールで、営業情報の代わりに「応募」から「会社説明会」「面接」「内定」「内定後フォロー」「入社」まで、各採用プロセスで収集される情報を扱い、情報共有の徹底を図ったのだ。

 そこで得たノウハウを製品化したものが、「e採用マネージャー」である。特徴は、効率的な採用活動を実現するために、学生が企業に応募し、実際に入社するまでのプロセスを一貫して管理できること。「eセールスマネージャー」と同様に、情報を「履歴」として一元的に管理できるからだ。これにより、情報共有の徹底も可能になった。情報を多面的にとらえる機能も実装したため、情報の「活用」も促進されたという。

       1|2 次のページへ

Copyright© 2011 ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

注目のテーマ