SFAで熱いバトル勃発!――日本型の営業スタイルを踏襲(1/3 ページ)

なかなか根付かなかったSFA(営業支援システム)が、ここ数年はその投資効果が認識されるようになってきた。この有望市場をめぐって、にわかに熱いバトルが繰り広げられている。

» 2007年09月20日 07時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト]

 企業の営業活動を効率化するITシステムとして、あらためて注目されつつあるSFA(営業支援システム)。10年ほど前に登場したものの、しばらくほとんど根付かなかったが、ここ数年はその投資効果が認識されるようになってきた。

 この有望市場をめぐって、にわかに熱いバトルが繰り広げられている。先行するセールスフォース・ドットコム、ソフトブレーンといった有力ベンダーに、グループウェアで急成長してきたサイボウズが真っ向から戦いを挑んだからだ。さらにサイボウズは、セールスフォース・ドットコムが先行する「SaaS(Software as a Service)」にも積極的に取り組む構えだ。果たしてその行方やいかに――。

サイボウズがSFA市場に参入

 グループウェア市場において国内トップレベルのシェアを握るサイボウズが7月23日、SFA製品「サイボウズ ドットセールス」(以下、ドットセールス)を発売し、SFA市場に新規参入した。

 SFAとは、企業の営業活動を効率化するITシステムのことである。営業のコンタクト履歴や商談の進捗状況、営業スケジュール、顧客情報などを蓄積でき、案件成立の見込みなどを営業部内で共有することが可能になるのが特徴だ。

 日本では10年ほど前から大手を中心に使われ始めたが、企業全体の導入率はまだ1割程度とみられている。サイボウズではその理由を、「従来のSFAは米国の営業スタイルに基づいてつくられており、日本に合わない」からだと説明する。また、「従来製品の多くが、導入時に営業プロセスを改善するためのコンサルティングを必要とすることが敷居を高くしている」ともいう。

 そこでサイボウズは、コンサルティングを必要とせず、手軽に導入できるようにすることをコンセプトとしたドットセールスを開発した。機能としては、ルートセールスがメインで、特定の顧客と長く付き合う日本型の営業スタイルに合わせ、営業活動の内容や課題などを報告するための「活動報告機能」や、顧客情報・会社情報・事業所情報などを登録するための「顧客管理機能」に重点を置いた。

「サイボウズ ドットセールス」の活動報告画面
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