政権投げ出しの裏には過剰反応の風潮が?――気にしすぎる人々のユウウツオルタナブログ通信(1/3 ページ)

あの9.11から6年が経過した翌日、政界に激震走る!所信表明に対する代表質問が始まる直前、安倍首相が辞任を表明。後継はどうなる?ねじれ国会は? オルタナブロガーは、ITの時事ネタのみならず政治・経済ネタをも独自視点で発信する。

» 2007年09月21日 13時47分 公開
[森川拓男,ITmedia]

激震!安倍首相辞任へ

 9月12日。この日は、日本の憲政史上でも類を見ない日となった。

 「安倍首相が辞意表明」――思わず目を疑った。ちょうど夕刊読みをしていたアナウンサーも、ギョッとしたように速報を言葉でも伝えた様子を見た人も多いだろう。そして、本来ならば13時から始まる予定の衆院本会議は開かれず、14時に、安倍首相の辞任会見が行われた選挙で大敗しても辞めず、所信表明演説をしたにもかかわらずだ。代表質問を受ける前に辞任表明――民主党の小沢代表などが言うように、前例がない。

 このことは、普段は政治問題をそれほど取り上げないオルタナティブ・ブロガーも、触れずにはいられなかったようだ。

 酒井秀夫氏「アセンディア酒井の大分・福岡・東京の三都?往復日記」は、組織TOPのあり方というエントリーで過去に政治部記者から聞いた話から、見事に安倍首相に当てはまることを書いている。

 藤井等氏「Allegro Barbaro」は、「職を賭して」に思う記者会見のキーワードを投稿。政治家で最も重要なのは、「言葉」だ。その言葉によって、失職することすらあるのは、ご存じの通り。小泉前首相の場合は、かなり失言もあったものの、藤井氏の指摘する「言いたいことは分かりやすいキーワードで連呼」することで説得力を持ち、有権者に支持されたのだろう。安倍首相にはその点が足りなかったか。

 谷川耕一氏「むささびの視線」は、記者会見のテレビ中継を見ながら辞めて責任をとるというエントリーを投稿した。内閣総理大臣という立場の人間が責任を取ることはどういうことなのか。改めて考えさせてくれた。

 また、安倍改造内閣といえば、舛添厚生労働大臣だろう。安倍内閣を批判していた筆頭が、改造内閣では年金問題などを取り扱う厚生労働大臣に就任。内閣の中でもズバ抜けて支持を受けていた。

 9月6日に舛添要一が頼もしく見えてしまう・・・というエントリーを投稿した北添裕己氏「トラパパ@TORAPAPA」は、この辞任ニュースを見て安倍さん、おつかれさまでございました。舛添さん、さらに頑張って?!を投稿。北添氏は舛添厚生労働大臣に続投して欲しいようだ。確かに、このままでは舛添厚生労働大臣の就任以降、進みそうになっていた様々な問題への対応が、中途半端に終わってしまいかねない。川上暁生氏「ITコンシェルジュの Try ! & Error ?」社会保険庁の着服文化と、大木豊成氏「走れ!プロジェクトマネージャー!」盗っ人と呼ばれた人、手を挙げては、北添氏のエントリーに共感して書かれたものだ。舛添氏は正式に内閣総辞職するまでの間はしっかり仕事をこなすというが、役人に言いくるめられないようにしてもらいたいと思う。

 話が少しズレたが、今はポスト安倍が誰になるのかが焦点だ。そんな中、興味深い記事があった。安倍首相辞任でアニメ企業の株価が上昇したというのだ(関連記事)。山口陽平氏「一般システムエンジニアの刻苦勉励」に投稿された首相の去就で株価が動くにあるように、首相の交代が株価に影響を与えるというのだ。今回アニメ企業の株が上がったのは、政界随一のマンガオタクである麻生太郎自民党幹事長が次期首相候補の筆頭と目されたからのようだ。ただ、実際にはどうなるのかは、まだ分からない。

 安倍首相は、辞意を表明した翌13日、検査のために病院に入り、そのまま入院した。やはり、健康状態が悪かったのか。この原稿が掲載される頃には、その辺りもハッキリしているかもしれない。とにかく早いところ新しい首相を決めて、仕切り直してもらわないことには困る。注視しなくてはならない。

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