Sunが初めてIntelプロセッサを搭載したサーバを投入。IBMやHPの競合システムよりも性能、電力効率、システム管理で勝っているとSunは主張する。
米Sun Microsystemsは9月25日、初のIntelクアッドコアXeon搭載サーバ2機種を投入した。その中には、同社が「競合サーバの半分のサイズで2倍のスケーラビリティと処理能力を有する」と主張する小型4ソケットx64(64ビットx86)サーバも含まれる。
これらの新サーバは、SunとIntelが2007年1月に交わした契約から生まれた初の製品。SunはこれまでAMDとLSILogicが提供するプロセッサと、自社のSPARCおよびNiagaraプロセッサのみを採用していた。
新サーバ「Sun Fire X4450」「同X4150」は、Windows、SunのオープンソースSolaris、Red Hat Linux、SUSE Linuxに対応し、IBMやHewlett-Packard(HP)の競合システムよりも性能、電力効率、システム管理で勝っていると、Sunのプロダクトマネジャー、レベッカ・トング氏はeWEEKに語った。
「(Xeon 7300シリーズを搭載した)X4450サーバは大手ベンダーが提供する初の、そして唯一の4ソケット2Uクアッドコアシステムだ。IBMにもHPにもこういうものはない」(同氏)
「性能、密度、電力効率の点で最高のx64サーバだ。さらに、2Gバイトから最大128Gバイトまでのメモリスケーラビリティがあり、競合サーバより消費電力が50%少ないため電気代と冷却コストが少なくて済む」
Sun Fire X4150サーバはXeon 5300シリーズを搭載した2ソケット1Uシステムで、競合の2ソケット1Uサーバと比べるとメモリ容量、搭載ストレージ、ネットワーク接続性は最高で2倍と同氏は言う。
Sunのx86サーバ売上高は7四半期連続で伸びており、8月のIDCのWorldwide Quarterly Server Tracker調査では、同社はx86サーバ売上高を50.9%伸ばしてトップ5に入った。
Gartnerのヘーラル・ジョシプラ氏は、この市場ではクアッドコアの採用が拡大しており、今回の新システム発表のタイミングに関するSunの決定は正解だと語った。
「2006年後半、それに続いて2007年は、2Pから4Pシステムへの大きなシフトが起きている。顧客が求めるのは、電力効率や冷却を含めた総所有コストの削減と性能向上だ」(同氏)
Sunによると、新サーバはいずれも、データセンターに恩恵をもたらす強化版の仮想化機能を持つと同氏は言う。これは、顧客にとって優先度が高まっている機能だ。
この新サーバはIBM、HPとの戦いで、Sunにどのような力を与えるだろうか?
「このサーバはSunがx86市場全体でシェアを伸ばす手助けをするだろう。それでもSunはまだHPにもIBMにも遠く及ばない」(ジョシプラ氏)
「2007年第2四半期に、HPはx86市場で約18%のシェアを握っていた。だがSunのx86事業の見通しは明るい。同社はメモリスケーラビリティ、記録密度、CPUスケーラビリティなどの分野において、x86製品を技術的に差別化しようとしている。同社にとっての課題は、その技術力に見合ったマーケティングや販売チャネルの取り組みを実現することだ」
「この4ソケット2U設計は際立っている」と調査会社Illuminataのゴードン・ハフ氏は言う。「これはラックマウントサーバでは目覚ましいプロセッサと記録密度だ」
「x86サーバ分野では、1回の発表でベンダーのポジションが劇的に変わることはほとんどない。今回もそうだ。これらの新しいサーバが、競争の構図などの根本的なものを変えることはないと思う。だが、これはSunがx86サーバに真剣であり、確かなハードでその戦略を支えていることをさらに確認するものだ」(同氏)
Sun Fire X4150は既に提供開始されており、価格は2995ドルから。X4450は10月から提供され、価格は8895ドルから。
SunとIntelの提携に関する詳細な情報はこちらを参照。
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