「水と油」IBMとアップルの歴史的提携が残したものとは温故知新コラム(2/2 ページ)

» 2007年09月28日 07時00分 公開
[大河原克行,ITmedia]
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再び「水と油」に

 その後、アップルは、いくつかの企業との提携を相次ぎ発表。さらに、マック互換機戦略まで展開するなど、その後のスカリー戦略は、提携を軸に展開されていった。創業者であり、現CEOのスティーブ・ジョブス氏が、我が道を行くといった経営手法であるのとはまったく逆である。

 この提携の成果は、明暗を分けた。カライダ、タリジェントの2社はその後消滅し、当初、目標とした成果は得られなかった。一方で、IBM、アップル、モトローラの3社による新たなRISCチップの開発は、PowerPCという形で成果につながり、IBMのサーバやマッキントッシュに採用されることになった。これが、この提携では最大の成果となった。

 だが、その成果も、15年を経た2006年になって終わりに近づいてきた。アップルは、2006年1月に、インテルチップを搭載したiMacおよびMacBook Proを発表。2月末には同じくインテルチップを搭載したMac miniを投入し、今後、CPUをインテルチップへと移行することを示した。

 一方、IBMも、ソニーおよび東芝と共同開発したCellを、同社のサーバに採用すると発表。すでに同CPUを搭載したブレードサーバの試作品を公開してみせた。

 このような最近の動きを見ると、IBMとアップルは、また「水と油の関係」に戻ろうとしているのかのようだ。(肩書きはすべて当時のもの)

このコンテンツは、月刊サーバセレクト2006年5月号の記事を再編集したものです。


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