日本オラクルは、SOA導入を検討する企業向けの事前診断サービスを11月下旬から開始する。1000社への導入実績を基に“顧客自身で導入の回答を見つける”サービスを掲げる。
日本オラクルは10月2日、SOAの導入を検討する企業向けに事前診断を行うアセスメントサービス「Roadmap to SOA」を11月下旬から提供開始すると発表した。
Roadmap to SOAは、同社がこれまでに取り組んできた1000社を超えるSOAの導入支援から蓄積したノウハウやベストプラクティスを、アセスメントサービスとしてまとめたもの。グローバル規模で約170社の導入実績を上げている同サービスが、日本市場で提供される。
SOAに関する顧客の悩みや要望として、「業績への貢献が不明」「組織間の壁」「ガバナンスモデルの欠如」「ベストプラクティスの欠如」などが挙がる。企業が導入方法や計画を策定しきれず、「何から進めればいいか分からない」状態がまん延していることが、SOA導入における企業の出足をにぶらせている。
Roadmap to SOAは、SOA導入のために、企業の課題を洗い出すサービスだ。客観的な立場から情報を整理し、顧客とのディスカッションやワークショップを通じて、「どのプロジェクトから行えばいいか、そのために何が足りないのか」などを具体的に落とし込む。
約1000社の事例を基に導入のシミュレーションを行い、開発工数やROIを策定する。そしてSOA導入における中期的なロードマップを描くとともに、顧客のSOAに関する知識や経験を高めることを目的とする。この一連の流れを提供し、企業のSOA導入を加速させる。
SOAに関する他社のアセスメントサービスとの違いについて、同社は「顧客自身がSOAのロードマップを作るもの。製品やベストプラクティスのみを提供するものではない」と説明。どのような計画を立ててSOAを実装するかについて、課題をあぶりだし、最終的に顧客に決めてもらうサービスという見解を示した。
また、「一番の差別化は、豊富な導入実績により、導入効果が実証されているということ」(同社常務執行役員 システム製品統括本部長 三澤智光氏)とし、これまで培ってきた実績に自信をのぞかせた。
なお同社は、アクセンチュアや日本HPと協業し、他社のアセスメントサービスを展開しているが(関連記事参照)、「顧客のアウトプットによって、どのアセスメントサービスが適するかという問題。サービスの善し悪しの問題ではない」(同氏)と説明し、Roadmap to SOAと他社サービスの共存を掲げた。
価格は300万円から。標準で、3〜4週間のアセスメント期間となる。2007年度には3社への導入が決定している。2008年度は、年間30件の導入を目指し、担当メンバーを50人規模に拡大する見通しだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.