牙城を切り崩せるか? 2大勢力のDBサバイバル競争が激化(1/3 ページ)

日本オラクルとマイクロソフトが、データベース管理ソフトにおける新たな新戦略展開を発表したことにより、市場はますますホットな戦いが繰り広げられそうだ。

» 2007年10月03日 07時00分 公開
[松岡功,アイティセレクト編集部]

 日本オラクルとマイクロソフトが9月上旬、データベース管理ソフトにおける新たな戦略展開を発表した。日本オラクルは約3年ぶりのメジャー・バージョンアップとなる「Oracle Database 11g」(以下、11g)を発表。基本性能の向上に加え、運用管理コストの削減や情報ライフサイクル管理(ILM)などに向けた400を超える新機能を追加した。

 一方、マイクロソフトは「Microsoft SQL Server」において、エンタープライズ市場への取り組み強化などを図り、今後3年間で売り上げを倍増させるための拡販策を明らかにした。有力ベンダーが相次いで新たな戦略展開を打ち出したことで、同市場はますますホットな戦いが繰り広げられそうだ。

オラクルが製品を大幅刷新

 「11gは大規模から小規模なシステムに至るまで、すべてのお客様にバリューを提供できる製品だ」

 日本オラクルの新宅正明社長は、9月3日に開いた新製品発表に記者会見でこう語り、約3年ぶりにメジャー・バージョンアップしたデータベース管理ソフトのポテンシャルの大きさを強調した。

 11gの投入にあたって同社がテーマとして掲げたのは「リアル・カスタマー・リリース」。つまり、「顧客のバリューを第一に考えたリリース」ということだ。同社の三澤智光常務執行役員システム製品統括本部長によると、「これまで当社のデータベース管理ソフトは先進技術の採用を最優先してきたが、今回はお客様の声を反映することに最重点を置いた」と言う。

 その上で同社が11gにおいて最も注力したのは、IT投資の8割程度を占める運用管理・維持コストを大幅に削減するための新機能の数々を用意したことである。なかでも目玉となるのが、テスト作業を効率化する「Oracle Real Application Testing」、災害対策機能の利用を拡大する「Oracle Active Data Guard」、データ圧縮機能を強化した「Oracle Advanced Compression」など、システムの運用管理の負荷を軽減するものである。

日本オラクルが9月3日に行った新製品「Oracle Database 11g」の発表会見(中央が新宅正明社長、右が三澤智光常務執行役員システム製品統括本部長)
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