富士通はこのほど行ったサーバ事業戦略説明会で、メインフレームからPCサーバまで4種類ある製品ラインを今後も継続するとした。だがそこには、同社なりの“葛藤”もあるようだ。
富士通が現在展開しているサーバ製品ラインは、メインフレーム「GS21」、Solaris on SPARCのUNIXサーバ「SPARC Enterprise」、Linux/Windows on Itaniumの基幹IAサーバ「PRIMEQUEST」、PCサーバ「PRIMERGY」の4種類からなる。
同社が10月3日に行ったサーバ事業戦略説明会では、この4種類それぞれの今後の重点施策が披露された。それによると、メインフレームのGS21は、社会システムを支える超高信頼性の提供および顧客資産の尊重を第一義に掲げ、SOA(サービス指向アーキテクチャー)対応によって顧客のオープンシステムとの融合化をサポートしていく姿勢を示した。
UNIXサーバのSPARC Enterpriseでは、従来のSun Microsystemsとの共同開発・製造提携によってグローバルに市場を拡大するとともに、UNIX最大のSolaris市場に高性能/高信頼といった富士通ならではの「DNA」を注入することを強調。Solaris市場を成長させることが富士通の勢力拡大につながるとの認識を示した。加えて、社内製半導体の強みを生かして、今後も新しいSPARC互換プロセッサを開発し続ける考えがあることを明らかにした。
基幹IAサーバのPRIMEQUESTでは、今後もオープンプラットフォームでメインフレームの信頼性を提供し続けるとともに、フレキシブルパーティショニングやスケールアウト・スケールアップ業務に対応してデータセンターに向けた最適化を図っていく構えだ。
そしてPCサーバのPRIMERGYでは、PCとのシナジー追求によるボリューム拡大とコスト低減、黒川博昭社長直轄のプロジェクト推進などによるブレードサーバの開発・マーケティングの一元化、グリーン技術による差異化、グローバル化の加速などを今後の戦略ポイントに挙げた。
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