openSUSE 10.3にアップグレード(1/3 ページ)

openSUSE 10.3が先週リリースされた。この記事ではアップデートの様子と、その際に遭遇した幾つかの問題点について報告する。

» 2007年10月15日 11時43分 公開
[Federico-Kereki,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 openSUSE 10.3が先週リリースされたので、さっそくダウンロードして2台のopenSUSEマシンをアップデートした。この記事ではアップデートの様子と、その際に遭遇した幾つかの問題点について報告する。

 前バージョンのopenSUSEは5枚または6枚組みのCDだったため、ダウンロードするのが面倒だった。OpenSUSE 10.3ではKDEかGNOMEのどちらかの版のCD 1枚だけをダウンロードして作成すれば必要なものがすべてそろうようになっている(あるいは、以前の5枚組みCDとほぼ同等の内容である4GBのDVDイメージをダウンロードすることもできる)。今回はopenSUSEのサイトへ行って32ビットのKDE版を選択して、Azureusを使ってBitTorrent経由でISOイメージをダウンロードした。そしてK3bを使ってイメージをCDに焼き、チェックサムを再確認した。これでインストールの準備が整った。

 さまざまな言語で表示されるウェルカム画面の後、最初のメニューで幾つかの選択肢が表示されるが、「Installation(インストール)」を選択すればよいだろう。Enterを入力するとカーネルが読み込まれ、ハードウェアの認識作業が始まって細長い白色のプログレスバーが表示された。なおわたしのシステムではインストール開始の画面が表示されるまでに7分以上かかった。

 このとき「Add Online Repositories Before Installation(インストールの前にオンラインレポジトリを追加)」を選択すれば、「Include Add-On Products from Separate Media(別メディアからアドオン製品を含める)」を指定する必要はない(ここで「別メディア」というのはダウンロードしなかった別のCDのことだ)。当然ながらこの種のインストールを行うためにはネットワークアクセスが不可欠だ。ネットワークカードの認識が終わると、「Automatic Address Setup by DHCP(DHCPによる自動アドレス設定)」か「Static Address Setup(静的アドレス設定)」のどちらかを選ぶことになる。DHCPオプションを試してみたところwww.SUSE.comに接続することができなかったので、もう一方のオプションを試してみた。わたしの家庭内ネットワークで有効なIPアドレス、ネットマスク、ゲートウェイ、DNSアドレスを入力する必要があったが、問題なく接続できるようになった。

 (ちなみに、サーバをアップデートする方法が分からなかった。ADSL接続をしているのだが、ADSL接続のためのユーザー名とパスワードを指定する方法が見当たらなかった。単にDVDを作成すれば良いだけなのかもしれないが。)

 ネットワーク接続に成功すると、インストーラがレポジトリへの接続を開始する。その後、アップデートを行うパーティーションを選択する必要がある。ところがここでopenSUSEが、存在しないはずの/dev/sda3というドライブを表示したので驚いた。どうやらopenSUSE 10.3ではATA/SATAドライブにlibataを使うようになったため、すべてのhd*がsd*という名前に変わったようだ。つまり/dev/hda3が/dev/sda3になったということのようだった。

 またインストール中に/bootパーティーションのための十分な空き容量があるかどうかの確認が行なわれたのだが、空き容量が少なすぎる――openSUSE 10.3では64Mバイトが必要なのに対して60Mバイト「しか」ない――という気にかかるメッセージが表示された。そこでデスクトップマシンを確認してみたところ、16Mバイトあれば十分のようだということが分かったので、この警告を無視して先に進んだ。結果的には/bootには15Mバイトほどしか必要ではないことが分かった。

 最後に、レポジトリを選ぶことのできるステップがあった。3つのオプションがあるが、非OSSとOSSの2つを選択するのがよいだろう。3つ目のオプション(DEBUG)はテスト/デバッグ用だ。オプションの選択を終了すると、インストーラがパッケージ情報のダウンロードを開始する。これにはかなり時間が掛かるが、少なくとも忙しく変化するメッセージやプログレスバーが表示されるので、何か実際に作業が行なわれているということを感じることはできる。

 パッケージ情報をすべて取得し終えたら、インストールするパッケージや削除するパッケージを選択して、起こり得る互換性問題のすべてをどのように修正するかを決めよう。個人的にはここで簡単な方法を選んだ。すなわちopenSUSEがパッケージについての非互換性を報告するたびに、そのパッケージを削除するオプションを受け入れるが、そのようなプログラムはすべてメモしておいて、アップデート作業が終わった後にインストールし直すようにした。わたしはYASTよりもSmartの方が好みなので、YASTが解決できない非互換性があっても気にしなかった。

 インストールする新しいパッケージは、「パターン」に基づいて選択することもできる。各パターンはそれぞれ、特定の機能やプログラムのグループ――例えば「KDEベースシステム」や「リモートデスクトップ」――に大まかに対応している。各グループには短い説明しか付けられていないので、実際に何がインストールされるのかは分からなかった。

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