革新の伝統に立ち返るFedora 8(1/3 ページ)

来月予定されている次期リリースのFedora 8は、革新的な新技術を幅広く導入するというFedoraの伝統に立ち返るものになるようだ。ここではFedora 8でどういった改良が行われるのか紹介する。

» 2007年10月31日 06時57分 公開
[Bruce-Byfield,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 ソフトウェアのメジャーアップデートと一口に言っても、すべてが同じくらいに重要なわけではない。例えばFedoraの最近の2つのリリースを比べてみればよい。Fedora 7では、舞台裏的な部分の改良が行なわれたり、外部の一般の人々にも吟味できるようにリリースプロセスが公開されたりはしたものの、デスクトップユーザーの目に見えるような改良点はほとんど提供されなかった。対照的にFedora 8 Test 3からうかがい知れるように、来月予定されている次期リリースのFedora 8は、革新的な新技術を幅広く導入するというFedoraの伝統に立ち返るものになるようだ。そのような新技術の中には、新しいファイアウォールツールなどプラスではあるが些細なものもある。一方、Javaの一バージョンであるIcedTeaCodec Buddyなどのような新技術はまだ不備な点もあるものの、やがてはほかのディストリビューションにも含まれるようになる可能性を秘めたものだ。

 過去の7つのFedoraのリリース(およびRed Hatのリリース)を経たFedoraは、ディストリビューションの多くの面に関して定番化してきた。前リリースと同様にFedora 8も、ネットワークインストールか、あるいは、GNOME版またはKDE版の2枚組みライブCDからインストールできる。インストーラのAnacondaは最近のリリースのものと比べて壁紙以外にはあまり変更はなかった。またソフトウェアのインストール用のyum、Pirut、Pupについても目に見えて高速化していたこと以外には大きな変更はなかった。

 同様にSELinuxを中心とするセキュリティツールにも大きな変更はなかった。なお、Fedora 8には、理論上消費電力とCPUの発熱を抑えることができるticklessカーネル(2.6.23カーネル)に加えて、GNOME 2.20、OpenOffice.org 2.3、Firefox 2.0.0.6など、これまで通り、定番のあらゆる生産性ツールの最新版が備わっている。

 またFedora 8では、新しいデスクトップを導入するというFedoraの伝統もこれまで通り維持されている。Fedora 7のデスクトップはエアブラシで書かれたやや派手な感じのテーマだったが、それに対してFedora 8のテーマであるInfinityはまったく逆の方向性を持つミニマリスト的なテーマで、デフォルトの壁紙は幾つかの飛行機雲が集束している様子を表わしている。

 以上のような基本的な部分にも不備がないわけではない――例えばインストーラはデスクトップの選択肢にXfceも含めた方が良いだろう――しかし全体的には、ほとんどのユーザーにとって妥当なオプションがそろっていて手堅いものになっている。そのようなしっかりとした基盤があるため、Fedora 8は革新的なことを行うことができる強固な状態にあり、それを実際に行なっているということは、例え革新が常に成功しているわけではなくてもFedoraコミュニティーにとって名誉なことだ。

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