2007年第3四半期に9600万ドル(前年同期比22%増)という業績を達成したInformaticaは、データ統合ソリューション製品の「PowerCenter 8.5」「PowerExchange 8.5」の日本版を発表した。米国での販売からわずか2カ月でのリリースとなる。
データインテグレーション大手のインフォマティカジャパンは11月5日、企業システムにおけるデータを変換・統合管理するプラットフォーム「PowerCenter 8.5」および「PowerExchange 8.5」を発表した。12月25日から出荷を開始する。最小構成価格はPowerCenter 8.5が1170万円、PowerExchange 8.5が約1000万円から。
新製品は企業内の複雑なデータの流れを管理するシステム基盤。
PowerCenter 8.5は、メッセージングやWebサービスなどから受信したリアルタイムデータの変換処理性能が向上したほか、リポジトリ間のデータフローを可視化し連携図を作成する「Metadata Manager」にプロファイリング結果の統合表示やメタデータモデルの拡張機能などを追加した。セキュリティでは「Data Masking Option」により電話番号やクレジットカード番号などのIDを自動的にマスキングし個人の識別を不可能にすることで、機密性の高い情報を保護できるようになった。
PowerExchange 8.5は、形式の異なるさまざまなビジネスシステムから変更されたデータのみを抽出するリアルタイムCDC(Change Data Caputure:変更差分抽出)機能を強化し、メインフレーム(OS/390およびz/OS上のIMS、DB2、VSAM)、ミッドレンジ(OS/400上のDB2)、オープンシステム(Unix、Linux、Windows上のOracle、Windows上のSQL server)を国内で正式サポートする。
このバージョンアップにより、データ統合と品質力を強化しリアルタイムICC(インテグレーションコンピテンシーセンター)を実現する。
ICCとはインテグレーション(統合)に関わるスタッフの専門知識や技術などの標準テクノロジーを通してプロジェクト全体を効率化させる組織。IT調査会社のガートナーによると、ICCを保有する大企業は2005年初期で40%にすぎなかったが、2010年までには80%以上になるという。
米Informaticaの上席副社長兼データインテグレーション事業ゼネラルマネジャーであるギリッシュ・パンチャ氏は、世界規模での業績成長を背景に日本を重要なマーケットとし「米国での発表から60日以内に日本版をリリースした」と意気込みを語った。
日本での展望について、インフォマティカの代表取締役社長である内田雅彦氏は、データ統合ビジネスにおける顧客の業態や用途などが変化していることに触れ、今後ますますリアルタイムデータ統合のニーズが加速するという。それに伴いSAPやOracleなどグローバルパートナーとの提携強化や、ユーザー交流などを目的としたICCフォーラムを設立し、「データインテグレーションに特化したナンバーワン企業」(内田氏)のポジションをさらに強固にする考えを示した。
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