匠の技にSCMを加えて勝ち残る流通業Retail Summit 2007 基調講演

日本オラクルが開催した「Retail Summit 2007」で基調講演に立った東京大学大学院 伊藤元重教授は、流通業におけるIT活用の重要性について語った。

» 2007年11月06日 16時38分 公開
[ITmedia]

 日本オラクルは11月5日、日本の流通小売業が直面する課題とその解決を探る「Oracle Retail Summit 2007」を開催した。

 基調講演は「日本型小売業の世界基準への挑戦」をテーマに、東京大学大学院 経済学研究科 伊藤元重教授が行った。

東京大学大学院 伊藤教授

 伊藤教授は、1990年には9店舗だったが2000年には888店舗にまで拡大した米ウォルマートを例に挙げ「日本でもアメリカでも、ITバブルははじけたが、当時のIT投資によって構築されたネットワークや端末は、インフラ資産として存在している。それらを最大限に活用し、ここ数年の世界経済を牽引しているのは、金融業、そして流通業だ」と延べた。

 「流通業に従事している方に話を聞くと、勝ち残る条件としてよく挙げられるのは『調達力』と『販売力』だ。しかしこれからは、現場のスキルだけに頼るのではなく、情報処理能力が重要となる。具体的にはグローバルな調達や徹底したロジスティクスの構築といったSCM(供給連鎖管理)が、成長の決め手になるだろう」と伊藤教授。バイヤーの目利きや店舗スタッフの接客力といった従来の「匠の技」に加え、ITを活用した流通ビジネスモデルを組み立てることの重要性について、聴衆に語りかけた。

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