Ajaxベースの企業向けグループウェアを提供するZimbraのスコット・ディーゼンCTOが来日し、日本における事業戦略を説明。Yahoo!による買収についても触れた。
Ajaxベースの企業向けグループウェアを提供するZimbraが11月14日に事業戦略説明会を実施。同社のスコット・ディーゼンCTOは、主にYahoo!買収の影響について言及した。
Ajaxを活用したメールのインタフェースに加え、スケジューラやアドレス帳などの機能を取り入れたグループウェアを展開するZimbraは、2007年9月に米Yahoo!に買収され、第4四半期にYahoo!の完全子会社となる。その影響について同氏は、「買収で起こる変化は今のところない。むしろビジネスを加速させる役割を担う」とコメントした。
Yahoo!の買収の狙いとして、「大学や法人、ISP事業者といったYahoo!がカバーしていない顧客層を取り入れる目的がある」(同氏)という。また日本におけるYahoo!との連携に関して、「今は申し上げられない」としたものの、「マイクロソフトやGoogleなどはこの分野において日本でまだ成功していない。われわれにもチャンスはある」と意気込みを示した。
ベンチャーキャピタルとしてZimbraに投資し、フィードパスの筆頭株主でもある住友商事は、SaaSビジネスへの取り組みを説明した。
フィードパスではZimbraのSaaSサービス「feedpath Zebra」を提供している。住友商事ネットワーク事業本部ITソリューション事業部の佐藤誠之部長代理はフィードパスについて、「技術パートナーでありSaaS事業の運命共同体」と位置付けた上で、「Web2.0への知見が卓越しているZimbraおよびフィードパスと組むことで、さまざまなサービスをSaaS化して提供でき、Win-Winの関係が築ける」と述べた。
同社が展開するSaaSビジネスの特徴として、同氏は事業者にZimbraライセンスを提供できることを挙げた。競合となるGoogle Appsについて、「Google Appsを利用する場合、個人情報をGoogleに預ける必要がある。われわれの提供するソリューションなら、自社でデータを自由に管理したい企業のニーズを満たす」と差別化のポイントを挙げた。
売り上げ目標は、「フィードパスやSaaS、システムインテグレーション事業などを含めて今後3年間で30億円」(佐藤氏)。
説明会では、ネットワーク環境を必須とするZimbraの機能をローカルPCで動作できる最新バージョン「Zimbra collaboration Suite5.0」が紹介された。「新幹線などインターネットのつながっていない場所でもメール機能を使うことができる」(ディーゼン氏)のが特徴だ。英語版が2007年12月に提供予定という。
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