ナレッジを解放せよ、「真」情報システムが企業に競争力をもたらすJustSystems xfy Solution Forum 2007レポート

ジャストシステムは10月末、「xfy Solution Forum 2007」を開催し、XMLアプリケーションの開発基盤環境と実行環境を統合的に提供する法人向けソリューション製品、「xfy Enterprise Solutions」を紹介した。

» 2007年11月15日 11時00分 公開
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 「規制や競争などによってビシネス環境が絶えず変化する中、企業にはその活動に直接役立つ正しいシステム、“真”情報システムが求められている」── 四半世紀前のワープロ開発以来、文書の編集や日本語の処理にこだわり、ソフトウェアの提供を通じて日本の知を紡いできたジャストシステムの浮川和宣社長は、最先端のXML技術を引っ提げ、いよいよエンタープライズ市場の本丸に切り込もうとしている。

photo ジャストシステムの浮川和宣社長

 ジャストシステムは10月31日、都内のホテルで「xfy Solution Forum 2007」を開催し、XMLアプリケーションの開発基盤環境と実行環境を統合的に提供する法人向けソリューション製品、「xfy Enterprise Solutions」を紹介した。

 同社は2004年11月、あらゆるXML文書を自由に読み、書き、組み合わせ、WYSIWYGで扱うことができる「xfy technology」を世界に先駆けて発表、1年後の2005年11月には同技術を基盤とした初めての製品として、xfy Basic Edition 1.0を世に送り出した。

 企業では、構造化された数値データだけでなく、膨大な文書が日々の業務の中で生み出されている。規制や競争など、ビシネス環境が絶えず変化する中、企業はさまざまな情報を資産化し、競争力につなげていくことが求められている。また、企業活動の多くがビジネス文書に記録されていくことから、それをきちんと管理していくことも内部統制の視点から重要視されている。

 「日々の業務で作成されるビジネス文書は、そのほとんどが人の目から見ればきちんと構造化されている」と浮川社長は指摘する。

 実際、ビジネス文書の一部をコピー&ペーストして別のビジネス文書に活用する、といったことは人の目と手によって日々の業務の中で行われている。情報をファイル単位でしか扱えないコンピュータには上手く処理できないだけだ。

 浮川社長は、業務に有用な意味を持つ、もっと小さな「情報ユニット」をコンピュータによって見える化し、有機的につなぎ、活用できるようにすることが、XML技術をベースとするxfyのゴールだと話す。

 「XMLはデータと文書の架け橋であり、未来を約束してくれるアーキテクチャーだ」(浮川社長)

知識の記述にパラダイム変革をもたらすXML

 振り返ってみれば、人の頭の中に断片的に存在する知識を言葉によってシーケンシャルに記述しているのが文書だ。これまでのコンピュータは、この文書をファイル単位で処理することで知識を扱っていたに過ぎない。

photo ジャストシステムの浮川初子専務

 「人の頭の中にあるのと近い形、つまり構造化された状態で“構造化文書”として知識を扱うことによって、知識の記述に関するパラダイムを大きく変革できる。それをなし得るのは、さまざまな業界で広く標準化が取り組まれているXMLをおいてほかにない」と話すのは、創業以来、ジャストシステムのソフトウェア開発を率いる浮川初子専務だ。

 製造業を例に取れば、製品を世に出していくには、「研究」「設計/開発」「生産準備」「生産/検査」「マーケティング/販売」というプロセスがあり、また販売後も長期にわたる「保守」が必要となる。下の図にあるとおり、これらの企業活動は、仕様書、部品表、生産指示書、購入仕様書、検査表、マニュアル、障害レポートといった文書に記述されることによって進められていくが、こうした文書作成の膨大な作業は人手によって行われているのが実情だろう。再利用が難しく、その手間もさることながら、人的エラーが入り込む余地が残されており、そこには大きなリスクも潜んでいる。

 グローバルにビジネスを展開する日本の製造業にとっては、各地域のさまざまな規制に対処しなければならず、もはや従来のやり方では限界に達しているという。XMLオブジェクトリポジトリによって構造化された情報を統合管理し、有機的に結合したり、活用できたりする企業情報管理のためのプラットフォームが求められているのだ。

image 企業における情報の構造化

 ジャストシステムのxfyが際立っているのは、新しいXMLボキャブラリを扱いたいときにも、XSLTライクなXMLスクリプトで簡単にプログラミングできるほか、GUIツールである「xfy View Designer」によってプログラムを自動生成できる簡易な開発環境を提供していることだ。このツールでは、既存のXML文書からスキーマを自動抽出し、再利用することもできるという。

 世の中では、次々と新たなXMLボキャブラリが生まれており、それらを有機的に結合し、活用していく必要があるビジネスの現場においては、あらゆるXML文書を自由に読み、書き、組み合わせ、なおかつWYSIWYGで扱うことができる機能は必須といえるのだが、こうした機能を提供しているのは、今のところxfyをおいてほかにはない。

 実行環境もフル機能を備えたクライアントは「xfy Enterprise Client」として位置づける一方、構造化された情報を閲覧もしくは印刷したいだけのユーザーや、特定のフォームのみ入力・編集できればいいというユーザーには、それぞれ機能を限定した「xfy Viewer」や「xfy Reader」(いずれも仮称)を準備しているという。

業務横断で情報を再構成できるxfy

 ジャストシステムでナレッジ製品の開発を統括する松家勝弘統括部長は、「新しい企業システムは、業務やシステムに情報が閉じられることなく、目的に応じて情報を再構成/再編成できるようにしておき、それらの情報を一括して扱い、集計し、レポートを作成するフロントエンド技術が必要になる」と指摘する。そうした情報活用を促進するプラットフォームとして同社が提供するのが、12月にアップデートされる「xfy Enterprise Basis 2.1」だ。

 xfy Enterprise Basis 2.1は、ユーザーがXMLによって構造化された文書を作成したり、活用したりするxfy実行環境や、XML文書を扱うアプリケーションを開発したり、情報の構造を統制していくxfy開発環境、構造化された情報を共有しやすくするXMLオブジェクトリポジトリから構成される。

 松家氏のセッションでは、営業週報、品質管理票、顧客対応状況という異なる業務で作成される3種類のビジネス文書から顧客の要望を横断的に抽出し、製品の改良に役立てる、というデモも行われた。xfy Enterprise Basisをプラットフォームとして導入すれば、テンプレートによって情報の構造を統制し、XMLオブジェクトリポジトリに営業週報、品質管理票、および顧客対応状況を格納、これらの構造化された情報から顧客の要望を一括して抜き出し、レポートを作成することが可能となる。共通スキーマとして「要望」という意味づけが行われている情報ユニットを抽出し、一覧化すればいいわけだ。もちろん、数値情報を積算したり、平均値を算出したりするといったことも一括して行える。

 共通スキーマとしてあらかじめきちんと定義されていない場合も現実には多い。xfy Enterprise Basisでは、分類タグを利用して、「製品名」と「製品・サービス」は同じ意味を持つ、と後付で指定することもできるという。

image 業務横断的な情報活用を実現するxfy

検索オプションやソリューションも提供

 同社が開発するユニークな検索エンジン、「ConceptBase」も大幅に改良が加えられ、xfy Enterprise Basisのオプションとして提供される。これまで定評のあった「概念検索」、つまり類似性による意味的な検索機能にさらに磨きを掛けるとともに、構造化された情報を的確に絞り込む「構造検索」の機能を追加する。これにより、各「章」の最初の「項」のうち、「市場への参入障壁」という概念が含まれている情報ユニットを探し出す、といった構造検索と概念検索を組み合わせたハイブリッドなアプローチで的確に目的とする情報を探し当てることができるようになる。

 ConceptBase Enterprise Search for xfyは、2008年第1四半期に出荷予定という。

 また、この他にも幾つかオプション製品を準備している。製品の設計段階で作成された3次元CADデータを作業指示書やメンテナンスマニュアル、販売促進用のカタログに3次元モデルアニメーションとして組み込み、インタラクティブで高品質の文書を作成するための「xfy 3D-CAD オプション」や、高度な数式処理ソフトウェアとして定評のあるMathematicaと連携を図り、その処理結果を技術文書にシームレスに取り込む「xfy Mathematica 連携オプション」がそれで、やはり2008年第1四半期をめどに出荷を予定しているという。

 さらに、xfy Enterprise BasisやConceptBaseのようなオプション製品群をプラットフォームとし、その上で利用できるソリューションとして「xfy Document Solution Core 1.0」も用意する。

 xfy Document Solution Coreは、下の図のように「文書構造の定義」から「共同編集環境の構築」「編集作業」「確定」「利用」という一連のプロセスをカバーする機能群で構成される。ビジネス文書の作成および管理を効率良く行うとともに、その情報の信頼性や品質を高めるためのソリューションだ。

 ジャストシステムでは、こうしたコアとなるソリューションの上に「金融マニュアル」や「製造業ドキュメントソリューション」といった特定の業務に特化したソリューションも順次整えていくという。

image xfy Document Solution Core 1.0 機能マップ

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提供:株式会社ジャストシステム
企画:アイティメディア営業本部/制作:ITmedia エンタープライズ編集部/掲載内容有効期限:2007年12月14日