最新版となるAMDのグラフィックスプロセッサ「ATI Radeon HD 3850/3870」は、電力効率や費用対効果で従来以上のパフォーマンスを発揮する。
米AMDは11月15日、ATI部門(旧ATI Technologies)が開発したグラフィックスプロセッサの最新版「ATI Radeon HD 3850/3870」を発表した。
新製品の3800シリーズは「テクノロジー」「エネルギー効率」「スケーラブル」の3つが特徴となる。
Windowsのマルチメディア機能を強化する拡張API「DirectX」のバージョン10.1が初めて搭載され、プログラム性や照明、画質精度などで向上がみられた。特にリアルタイムゲーミングの中で質の高い照明が可能となった。また、パソコン向けシリアル転送インタフェース「PCI Express 2.0」の採用により、従来の「PCI 1.1」と比べ帯域幅が約2倍広がったほか、同条件のシステム環境でパフォーマンスが最大10%向上した。
3800シリーズでは55nmのGPUを初めて採用。前バージョンの2900シリーズ(80nm)と比べてチップサイズを小さくした一方で、処理性能、エネルギー効率ともに向上した。同社のデスクトップ・プロダクトマネジメント プロダクトマーケティングディレクターであるディビッド・カミングス氏は「これまでエネルギー効率は横ばいだったが、3800シリーズの登場によって劇的に向上した。ブレークスルーだ」と意気込んだ。
スケーラブル面では、「ATI CrossFireX」と呼ばれるGPUソリューションによって最大4枚のグラフィックスカードや最大8枚のディスプレイをサポートできるようになった。パフォーマンスは標準仕様と比べて1.5倍から1.8倍にスケールアップした。
新製品はパートナー企業を通じて同日から提供開始された。価格は、3850が179ドル(約1万9600円)から、3870が219ドル(約2万3900円)から。
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