マイクロソフトは11月15日、SQL Server 2008の早期実証プロジェクトをNEC、HP、ユニシスと共同で行っていくことを発表した。
マイクロソフトは11月15日、来年に発売が予定されているSQL Server 2008の早期実証プロジェクトを日本電気(NEC)、日本ヒューレット・パッカード(HP)、日本ユニシスと共同で行っていくことを発表した。
同プロジェクトは「Center of Quality Innovation(CQI)」と呼ばれ、今回が世界に先駆けての実施となる。実際の顧客のSIシーンを想定した4つのシナリオを設定し、これに対する実証作業をマイクロソフトと上記3社でそれぞれ行っていく。
4つのシナリオは以下のように企業が直面するシーンを想定したもの。マイクロソフトのほか、それぞれの分野で実績のある3社が主務を務める。
米Microsoftの開発チームと連携し、調布にある技術センターで実証を行っていき、その結果を技術資料としてマイクロソフトのWebサイトで公開する。これをSQL Server 2008によるシステム構築の際のSIノウハウとし、顧客へ納品するシステムの品質向上に役立てていく。
同社サーバープラットフォームビジネス本部 アプリケーションプラットフォーム製品部 部長 野田良平氏によれば、SQL Server 2008では品質向上を開発工程における最重要課題の一つと位置づけて取り組んでいるという。これは、開発工程で不具合を解消することにとどまらず、顧客のソリューションへの製品適用手法や、その運用および支援といった展開時の環境を整えていくところにまで配慮をする広範な活動であると野田氏は説明する。
開発工程での品質向上については、米Microsoft本社のSQL Serverジェネラルマネージャー クエンティン・クラーク氏が、信頼できるプラットフォームに仕上げるため、SQL Server 2008には新たな開発手法を適用したことを明らかにした。それは、製品開発をメインのラインとサブのラインに分けて並行して行うもの。メインの開発ラインでは、ほぼ製品に近い状態が常に保たれる。新機能などの開発はいくつものサブのラインで行われ、コードが完成しテストが完了して初めてメインの開発ラインに組み込まれる。こうすることで、常にメインのラインは完成度の高い状態におくことができ、小さな機能の開発遅延による製品リリースの遅れといった状況を回避することができる。遅延した、あるいはテストが不十分な機能は切り捨てて製品リリースを行うこともあり得ると、その実効性をクラーク氏は強調する。
そして製品展開時の品質向上への取り組みである今回のCQIについては、五十嵐光喜サーバプラットフォームビジネス本部長が「黒帯のパートナーに叩いてもらう」と表現した。特にミッションクリティカル分野においては「黒帯」という表現がふさわしい3社であり、マイクロソフトはそれらのノウハウを蓄積・共有することで、SQL Serverの安定性や信頼性が前進することを期待する。
CQIは、2008年のSQL Server 2008製品のRTM(製品出荷候補)版が完成するまで活動が続けられるという。
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