技術屋がゴルフから学べること

ゴルフから学べることは、ITにも当てはまる。

» 2007年11月16日 18時32分 公開
[Eric Lundquist,eWEEK]
eWEEK

 わたしのコラムの中でも特に人気のあったものの1つに、ゴルフのどういう点がテクノロジービジネスの参考になるかをテーマに2003年に書いたものがある。その中で、わたしは自身の悲惨なゴルフスキルを認めつつも、ゴルフから学べることがある――ロストボールや空振りをしても――という結論に達した。

 先日、Pebble BeachリゾートでZiff Davis Enterpriseのスタッフやゲストと再びこの着想を得た場に立ち返る機会があった。2003年に学んだことが今も当てはまるかどうかを確かめるチャンスにもなった。

教訓1:テクノロジーを取り入れても、それを使いこなすスキルがなければ意味がない。スポーツ――特にゴルフ――用品には、コンピュータ、ソフト、ネットワーキングを合わせたよりも多くのテクノロジーが応用されている。だがコースで自分が何をやっているかが分かっていないと、スーパークラブを使っても役に立たない。技術屋の場合、基本的な知識がないのなら、最新のプログラミングツールを載せたワークステーションに飛びついて買ってはいけない。

教訓2:メンターが必要だ。Pebbleではキャディーがメンターだ。コースのことを何でも知っているし、いつも励ましてくれる。

 テクノロジー世界でそれに相当するのは、業界を襲うウイルスやワームを寄せ付けずに、予定通りに企業を動かすのに欠かせないソフト開発の大家、製品開発担当の幹部、技術者だ。

 問題は、こうした人たちはレイオフやアウトソーシング、コスト削減で最も打撃を受ける人だということだ。テクノロジー製品を設備投資でアップデートすることはできても、人的投資は替えがきかないかもしれない。これは2003年においても真実だったし、多くの技術屋がアウトソーシングに嫌気がさし、引退を間近に迫ったものと考えている今、いっそう重要になっている。

教訓3:テクノロジーの過負荷に対する最善の防御手段は、長い散歩だ。モンテレー(のゴルフ場)くらい景色のいい場所でそれができたら素晴らしいが、どこでもいい。技術屋の場合、電子メール、Webサーフィン、IM、ウイルス対策から自分を解放することは、大いに価値がある。携帯電話で話すなどして、「解放」を不完全なものにしてはいけない。数時間テクノロジーを絶つと、戻ったときにはずっと効率が高まる。

教訓4:練習しなければうまくならない。年に2〜3回コースで遊ぶだけだったら、その程度の努力しかスコアに反映されない。技術屋も、常に最新スキルを身につけておく上で同じ課題を抱えている。オープンソーシャルネットワークやGoogle携帯の時代に、この教訓はいっそう当てはまる。

教訓5:しょせんはゲームだ。絶好調のときでも、ゴルフは練習、目前のことに集中することの賢明さ、世界もゴルフのスイングも予測できない何かが支配していることを理解することの価値を教えてくれる。

 同様に、テクノロジー業界の浮き沈みはこれからも続く。結局、テクノロジーもゴルフも人生のすべてではない。それを覚えておいてほしい。それから、2008年のわたしのスコアをお楽しみに。

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