マイクロソフトがプロジェクトマネジメントの資格制度を発表、公認トレーニングも開始

マイクロソフトは11月20日、プロジェクト管理を行う「Microsoft Office Project 2007」に関する認定資格プログラムの提供を発表した。

» 2007年11月20日 19時00分 公開
[柿沼雄一郎,ITmedia]

 マイクロソフトは11月20日、同社のプロジェクト管理アプリケーションである「Microsoft Office Project 2007」に関する認定資格プログラムの提供開始を発表した。

 米国での活発な動きを受けて、国内の技術者の間でも機運の高まりを見せているプロジェクトマネジメント。マイクロソフトでは「Project 95」以来10年以上にわたってプロジェクト管理のためのアプリケーションを提供してきた。2006年11月に提供を開始した現在のProject 2007およびProject Server 2007は、.NET Framework対応でSharePointなど同社のほかのアプリケーションとの親和性も高く、さらにProject ServerInterface(PSI)というプログラミングインタフェースを用意しており、SAPおよび他社製ERP製品などと連携可能な拡張性を持つなど、エンタープライズレベルでの活用ができる製品として、堅調にユーザー数を伸ばしていると同社では説明する。

相場宏二氏 同社でProject製品を担当する相場宏二エグゼクティブプロダクトマネージャ

 提供される認定資格プログラムは3段階が用意されており、それぞれ「デスクトップテクノロジースペシャリスト」「EPMテクノロジースペシャリスト」「EPM ITプロフェッショナル」と呼ばれる。デスクトップ版の使いこなしから始まり、Server版の使いこなし、そして大規模なプロジェクトにおけるServer版の使いこなしといった内容になっている。より上位の資格を得るためには下位の資格を取得しておくことが必須となる。現在は上記3つのうち、デスクトップテクノロジースペシャリストのプログラムが2007年10月1日より提供開始となっている。上位2つについても、2008年以降順次スタートする。

 こうした認定資格プログラムについて、トレーニングコースが提供されることも発表された。2007年9月に設立されたIIL Japanの協力によってトレーニングのコンテンツが作成され、2008年1月より実施されるという。なお、認定プログラムおよびトレーニングコースのどちらも、米国プロジェクトマネジメント協会(PMI)の監修が行われ、同協会が策定した知識体系であるProject Management Body of Knowledge(PMBOK)に準拠したものとなっている。

イー・ラバーン・ジョンソン氏 全世界で各種のトレーニングやコンサルティングを手がける米IIL(International Institute for Learning)のCEO イー・ラバーン・ジョンソン氏
ゼルジュカ・パビック氏 IIL副社長 ゼルジュカ・パビック氏
Project 2007の認定資格プログラム

 併せて、前出のPSIを利用した新たなパートナーソリューションも発表された。グッドウィル・エンジニアリングは、Microsoft Office SharePoint Server上でプロジェクト管理を実現する「Microsoft Office Scheduling Component(MOSC)」を提供する。SharePoint Serverのスケジュール機能を利用したタスク管理や、検索、ドキュメント管理などの機能を一元的に実現できる。またEDSジャパンからは、プロジェクトのポータルサイト化と共有ナレッジの蓄積を行う「インフォメーション・ワーカーズ・ギア」が提供される。ポータル化によってドキュメントや成果物の効率的な管理が行え、さらに共有のナレッジベースを持つことで再利用化などの生産性向上を図ることができる。

 旭硝子、ヤマハモーターソリューションズ、北陸コンピュータ・サービスの3社によるProject Server 2007の導入事例も紹介されるなど、実際にプロジェクトマネジメントのソリューションを活用する国内企業の登場で、今後もより一層国内のプロジェクトマネジメント市場が活性化することが予測される。

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