降り注ぐ日差しのまぶしいバルセロナで「HP Software Universe 2007」が開幕した。HP Softwareシニアバイスプレジデントのトム・ホーガン氏は「グローバル第6位のソフトウェアベンダーとなった」とアピールした。
「HP Software Universe 2007」が11月27日、スペイン・バルセロナで開幕した。
地中海をすぐそこに望めるBarcelona International Convention Centreには、EMEA(Europe, the Middle East and Africa)を中心に約4000人の顧客が集まった。テーマは「ビジネス成果(ビジネスアウトカム)の最適化」だ。
「チャレンジを乗り越え、より大きな成果達成してほしい」――基調講演に登場したHP Softwareシニアバイスプレジデントのトム・ホーガン氏は、IT管理を最適化し、ビジネス成果に結び付けてほしいと説いた。
ITは大きなチャレンジの局面を迎えているという。モバイル活用、インフラの増大、情報爆発など、企業のCIOにとってはこれをより少ないコストで支配しながら、ビジネスのイノベーションを図っていく難しいミッションをこなしていかなければならない。
「5年前と違うのはITがビジネスを実現するビジネステクノロジーとなったことだ」とホーガン氏。
ITがストップすれば、イコールビジネスの停止を意味するようになり、ITが新しい環境に迅速に適応できなければ、それはビジネスの機動力を失うことになる。HP Softwareは、もはやビジネスの根幹となったITの稼働をソフトウェアの力でサポートし、より良い成果を生み出すものにしようと考えている。
ここ18カ月、HPはソフトウェアポートフォリオの拡充に力を入れてきた。Peregrine、Marcury、OpswareとIT管理のためのソフトウェアベンダーを取り込み、OpenViewとの連携を進めてきた。HP Software Universe 2007に先だって、データセンターを自動化する「HP Automated Operations 1.0」と、ITサービスマネジメントの「HP Service Manager 7.0」を発表したばかり。
買収で手に入れた3社の技術とOpenViewがインテグレーションされた姿が次第に見え始めてきた。ユニバーサルCMDBを基盤に、ITのライフサイクル全般をカバーし、ビジネスとITを橋渡しするBTO(Business Technology Optimization)のソフトウェアスタックはほぼそろったと言っていい。
ホーガン氏は「ここ12カ月のチャレンジはポートフォリオを増やすことだった。今からの12カ月は顧客とこれをシェアしたい」と話す。
「HPはグローバル第6位のソフトウェアベンダーとなった」と、ホーガン氏はアピールした。買収で業績は目まぐるしく向上し、本業も成長も「競合の2〜3倍」と胸を張る。
65億ドルをM&Aに投じ、ソフトウェア事業の強化を急いできたが、ファイナンス目的ではなく、常にマーケットリーダーに焦点を当てた戦略的な買収であると説明する。R&Dにも36億ドルを投資しており、本業の高い成長ペースを維持しており、業績の安定がさらにより良いソフトウェアを提供する源となる。
HPのソフトウェア事業は、アダプティブインフラストラクチャーの上に動作するものとして、IT管理のBTO、情報管理のBIO(Business Information Optimazation)に分け、さらに業界別ソリューションの3つを柱とする絵を描いている。
手始めにBTO分野を拡大させてきたが、今後は製品間のインテグレーションをさらに押し進め、よりシームレスな連携を行えるように投資を継続していくという。また、さらにアグレッシブなソフトウェアポートフォリオをつくるため、R&Dだけでなく買収も視野に入れていると話す。
顧客へのさらなる価値の提供にコミットすることも忘れなかった。
「これまでもエキサイティングだったが、将来はもっとエキサイティングになる」とホーガン氏。
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