「ファクターX」の向こうにビジネスチャンスあり!「環境にやさしく」できますか?(2/2 ページ)

» 2007年12月07日 07時00分 公開
[富永康信(ロビンソン),ITmedia]
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IT産業に求められる再利用システム

 マテリアル工学が専門の松野氏は、今後のIT業界において、電力消費や廃棄物は増えることはあっても減ることはないとした上で「廃棄量を削減できないのなら、資源として再利用できるシステムを作ること。いかにゴミとして捨てられず、還ってくるループを作れるかどうか、IT機器にはその開発の要素が大きく残されている」と訴える。反対に、そこにビジネスチャンスがあるかもしれないというわけだ。

 また、グリーン化することで節約され余剰になった時間、ヒト(労働力)、モノ(空間)、予算(利益)などが、資源消費の増加へと逆行させる「リバウンド効果」には注意が必要だという。当初からリバウンドを予見したシナリオ分析が、グリーンITを普及・定着させるカギとなる。

 以上のように、グリーンITへの取り組みはさまざまにあり、現状はまだその理想に向けて動き始めた段階といえる。だが、今後企業のトップには、ステークホルダーや地域社会、政府に対して、環境負荷軽減に対する施策の説明責任が求められることは間違いないだろう。

 極地の氷が解け始めている今、培ってきた科学技術を総動員して、豊かな生活を維持させつつ、将来への負の遺産を最小化させる義務を果たさねばならない。グリーンITとそこから生み出されるイノベーションが、その有効な施策のひとつになることを期待したい。

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