システム管理者が作り上げるネットワーク管理ツール FuncLeverage OSS(1/2 ページ)

Funcと呼ばれるネットワーク管理ツールは、OpenViewやTivoliのような大規模製品を必ずしも必要としない人にとって有益なものになるだろう。

» 2007年12月10日 00時00分 公開
[Tina Gasperson,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine

 Red Hatから新しいツールが誕生した。Fedora Unified Network Controller、略称Func。開発した技術者たちは、今、Funcに熱い思いをたぎらせ、Funcの有用さを知ればコミュニティーの人たちもこぞって賛同すると確信している。Red Hat Community Development ManagerのGreg DeKoenigsberg氏に言わせると、「Funcは、誰もが『そうそう、こういうのを書こうと思っていたんだ』という類のもの」だ。

 現在のネットワーク管理ソリューション市場は、OpenViewのHewlett-PackardやTivoliのIBMなど、大規模な製品を持つ大企業によって占められている。「たくさんのツールが販売されている」が、大規模一体型のソリューションであるため何百万ドルという費用が掛かる。「一部の機能だけを導入しようと思っても大規模なインフラストラクチャが必要になる」からだ

 Funcはそういった類のソリューションではない。小さくてカスタマイズ可能、しかもフリー。ネットワーク管理のインフラストラクチャが持つべき機能の中で最も重要なタスク自動化機能だけを提供し、不必要なものを削ぎ落とした。そして、簡潔なプログラミングインタフェースを備えている。あまりにも自明ですでに誰かが書いているはずと誰もが思うようなツールだ。しかし、いままで誰も書いてはいなかった。

 開発者のセス・ビダル氏は次のように話している。「いままで(システム管理の作業が)これほど簡単になるツールはありませんでした。システム管理者は、中央にあるサーバからほかのサーバに接続し一群のタスクを実行するという作業を頻繁に行っています」。Funcはサーバ間で安全に通信するための基本的な枠組みを提供する。従って、システム管理者はそれぞれの環境に合わせて必要なタスクを自動実行するスクリプトを作ることに専念できる。「必要なものを幾らでも積み上げていけますし、Funcではすぐに成果が出ます。完成品ではありませんが、今設定し、その15分後には成果を(上司に)見せることができるのです。簡単なテスト用スクリプトを実行するだけでもインフラストラクチャの設定に4〜5日必要だとしたら気が重くなります」

 「しかし、Funcなら極めて容易に全マシンにインストールしカスタマイズすることができますし、新しいモジュールを追加するのもごく簡単です。例えば、わたしは、Funcでインベントリアプリケーションを作りました。構成されているサービスを調べ変更されたら知らせるというものです。200行のコードを半日で書きあげました」。これはFuncInventoryというモジュールだ。環境に合わせて基準を設定すればどこででも使うことができる。このほか、ハードウェアのプロファイルを収集するものや、プロセスの情報を収集したり停止させたりするものがある。モジュールの追加は簡単。モジュールを作り、Funcをインストールしたときに作られたmodulesディレクトリにコピーするだけだ。

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