MS、「Office Live Workspace」の公開β版を開始

Miscrosoftは、Office Live Workspace公開β版のサービスを開始した。ただしOfficeをインストールしていないユーザーは文書を編集できない。

» 2007年12月11日 14時00分 公開
[Peter Galli,eWEEK]
eWEEK

 「Microsoft Office Live Workspace」のパブリックβ版が12月10日にサービスを開始した。

 このサービスは、ユーザーがオンライン上でドキュメントに対するアクセス、共有、コラボレーションを行うことを可能にする。このサービスが発表された10月1日、Microsoftは年末までにβ版をリリースする予定であり、このソフトウェアのテストを希望するユーザーの登録を受け付けていることを明らかにした。

 米MicrosoftでOfficeビジネスグループのシニアプロダクトマネジャーを務めるエリック・ギルモア氏は米eWEEKの取材に対して、「β版のサービス開始は、登録を行ったユーザー全員がこの製品の利用を開始できることを意味する」と語った。

 ギルモア氏によると、既に試験利用プログラムをセットアップしてαコードを利用している12校の学校にも新しいβサービスが提供されるため、これらの学校ではさらに多くの学生を含めた広範な運用試験を展開することができるという。

 同氏は、Microsoftではこのサービスの宣伝をあまりしなかったが、サービスに登録したユーザーの数は「Microsoftの予想を上回った」としているが、具体的な数字は明らかにしなかった。

 「われわれは、このサービスをインターネットの規模およびOfficeの規模で構築している。つまり数億人の潜在ユーザーがいるということだ。発表後に徐々に関心が盛り上がるだろうと予想していた。しかしコアユーザーに目を向けると、効果的な活用方法が期待できる学生、そして職場と自宅の両方から自分のデータにアクセスしたいと考えている情報ワーカーの間では、この価値提案が大きな反響を呼んでいるようだ」(同氏)

 さらにMicrosoftは、同社が立ち上げたOffice Live Workspaceに関するコミュニティーサイトにフォーラムを追加し、ユーザーと密接な対話が行えるようにしたという。

 自分のコンピュータにOfficeがインストールされていないユーザーは、ブラウザ上で表示している文書を編集することができないという問題について、「Officeを持っていないユーザーでもドキュメントをオンライン上に保存し、プレビューおよびコメントを行うことができる」とギルモア氏は話す。

 しかしMicrosoftでは、Web上での本格的な文書編集はまだ揺らん期にあると考えている。

 「このサービスはOfficeがなくても利用できるが、Officeユーザー向けに最適化されている。5億人以上の人々がOfficeのさまざまなバージョンを使っており、われわれはこれらすべての人々に素晴らしい体験を提供したいと考えている。ドキュメントフォーマットという意味では、Office 97からOffice 2007まですべてのバージョンをサポートする。つまり、ブラウザ内でこれらのドキュメントを表示できるようになるというということだ」(ギルモア氏)

 しかしWord内でのワンクリック編集やリッチクライアントからWorkspaceへの直接保存を可能にする連携機能は、Office XPとOffice 2007でしか利用できない。Office XPでは「Office Live Add-in Toolbar」と呼ばれるアドインを使用し、Office 2007の場合はOfficeアイコンに連携機能が組み込まれる。

 今のところ、Microsoft Office Live Workspaceには広告は含まれないが、将来的には、広告を含めるとともに、追加のプレミアムサービスを有料で提供する予定だという。「いずれ適切なビジネスモデルを考え出すつもりだ。いろんなことを試して、当社と顧客にとってどれが最もうまくいくか検討する予定だ」(ギルモア氏)

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