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Oracleのエリソン氏、NetSuiteのIPO収益を慈善事業へ

NetSuiteの目論見書によると、同社の株式の60%を保有するOracleのエリソンCEOは3200万株を慈善事業のために取っておく考えだ。
2007年12月11日 18時27分 更新

 Oracleのラリー・エリソンCEOは、このクリスマスシーズンに広い心の持ち主になるようだ。NetSuiteのIPO(新規株式公開)のオンラインオークションが始まった12月10日、同社の株式の60%を所有するエリソン氏が、NetSuiteの株式売却による利益の一部を慈善事業に寄付するつもりであることが明らかになった。

 NetSuiteは6月にIPOの申請を行い、12月10日にオンラインでの株式オークションを開始した。同社がリリースした声明書によると、この方式は機関投資家と個人投資家の両者がIPO株を獲得できるようにするのが狙いだという。

 NetSuiteが10月に米証券取引委員会に提出した書類によると、エリソン氏はNetSuiteの6億3930万株分の議決権を「鍵付き箱」にしまい込み、同氏の議決権による同社への直接的な影響を無力化する考えだ。エリソン氏所有の株式が実質的に塩漬けされる形になるため、同氏がOracleの取締役の地位にある間はNetSuiteの取締役会での投票権を持たない。ただし、NetSuiteの所有権の変更に関する投票権は保持する。

 IPOオークションに関するNetSuiteのWebサイトに掲載された同社の目論見書によると、エリソン氏は約3200万株を別の鍵付き箱に移す考えであり、これは同氏の指示に基づいて慈善目的に使われるとしている。

 エリソン氏が慈善ギフトを外部の団体に寄付するのか、それとも同氏の「Ellison Medical Foundation」に寄付するのかは不明だが、NetSuiteの株式を慈善目的に使用することは、大富豪の慈善家の世界で揺らぐエリソン氏の名声の回復に向けた第一歩となりそうだ。Ellison Medical Foundationでは、老化プロセスおよび老化に伴う病気に関する生物学的研究を支援している。エリソン氏のこれまでの慈善活動の中には、同氏がインサイダー取引訴訟を解決するために自身の慈善基金に1億ドルを寄付するのをカリフォルニア州の判事が認めたというケースもある。

 また、2001年の「9.11同時多発テロ」の後、エリソン氏は連邦政府が国家IDデータベースを構築し、国家IDカードを発行するためのソフトウェアの寄付を申し出たが、この申し出はさまざまな憶測を呼び、物議を醸すことになった。2006年6月には、エリソン氏はハーバード大学に対する1億1500万ドルの寄付の約束を取り消した。

 NetSuiteのIPOの結果は、エリソン氏が同社の鍵付き箱から何株を慈善目的に回すかを左右することになりそうだ。

 NetSuiteは、中堅・中小企業市場向けのオンデマンド型ERP(Enterprise Resource Planning)ソフトウェアを販売している。同社は会計処理や電子商取引自動化など各種のバックオフィスアプリケーションの統合スイートを最初に開発した企業として知られるが、独自のオンデマンド機能を提供しているOracleなどの企業との厳しい競争に直面している。SAPもミッドマーケット向けのオンデマンドスイートを提供しているほか、Microsoftは今月リリース予定のオンデマンド型CRM(カスタマーリレーションシップ管理)ソフトウェアを開発プラットフォームとして利用する考えだ。Microsoftのプラットフォームはオンデマンド型ERPのモデルになると予測するアナリストもいる。

 NetSuiteは2006会計年度には3570万ドルの純損失、さらに2007年9月までの9カ月間に2060万ドルの純損失を計上した。同社の累積赤字は2億4160万ドル。

 NetSuiteの株式は12月19日に「N」のシンボル名で取引が開始される見込みだ。

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[Renee Boucher Ferguson,eWEEK]

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