大胆予測! 2008年IT業界「さもありなん」の10大ニュース「行く年来る年2007」ITmediaエンタープライズ版(2/4 ページ)

» 2007年12月25日 07時00分 公開
[エグゼクティブマガジン編集部,ITmedia]

記者A すでにそうした動きは、2006年10月に伊藤忠商事が系列のシステムインテグレーター2社を合併させたり、2007年11月にはキヤノンマーケティングジャパンが中堅のアルゴ21を買収して子会社化するなど、だいぶ兆候が現れてきていたよね。TISとインテックHDの統合後の売上高は約3300億円となり、システムインテグレーターとしてはNTTデータに次いで、野村総合研究所や日本ユニシス、伊藤忠テクノソリューションズなどとともに2位グループに浮上する。おそらく今回のTISとインテックHDの経営統合が、国内のSI業界再編の引き金を本格的に引くことになるんじゃないかな。

デスク では「世界のソフト業界 大再編へ」、そして「国内SI業界がさらなる再編へ」をまず上位にエントリーしよう。

SaaSが本格的にブレーク、驚愕のM&Aも?

記者C ソフト業界やSI業界の再編にも影響してくると思うけど、2008年に本格的にブレークしそうなものとしてキーワードをあげるならば、まずは「SaaS(Software as a Service)」だろう。ここにきてソフトベンダーやシステムインテグレーターの多くが本格的な取り組みを始めており、2008年は明らかに普及期を迎えると思う。IT専門調査会社のIDC Japanがこのほど発表した国内のSaaS市場(ASPを含む)の需要動向によると、2007年の国内企業におけるSaaSの導入率は5.8%だったものの、今後の利用については前向きに検討している企業が45.6%にのぼるとか。これはまさしくSaaSに対する関心が急速に高まっていることを示している。

記者A 確かに。ただ、SaaSは従来のソフトにおけるビジネスモデルを根本的に変えるものだけに、ユーザーにとってもベンダーにとってもメリットがある形でスムーズに移行が進むかどうか、2008年はその大きなターニングポイントの年になるような気がするよ。

記者B 業界再編とSaaSを掛け合わせた象徴的な動きとしてまさしく“さもありなん”と思うのは、グーグルとセールスフォース・ドットコムが一体化することだ。2007年6月にはグーグルの広告配信サービスとセールスフォース・ドットコムのCRMアプリケーションを連携させることで提携しており、もともと事業面で補完関係があるとみられるだけに、可能性は少なからずあるように思う。さらにSaaSビジネスで先陣を切るセールスフォース・ドットコムは今、SaaSの仕組みそのものを幅広く利用できるようにした「PaaS(Platform as a Service)」の普及拡大に力を入れているが、もしこのビジネスをグーグルが担ぐようなことがあれば、いろいろな意味で面白いような気がしてならないんだけどね。

デスク よし、では「SaaS市場が急拡大」に加えて、「グーグルとセールスフォース・ドットコムが資本提携」と銘打ってエントリーしておこう。

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