システム開発は合宿で短期集中――ECナビ悩めるCTOの行く年来る年(1/2 ページ)

常に新しいシステムの開発に追われるのはインターネット企業の宿命だ。価格比較サイトのECナビのシステム本部長に2007年を振り返り、2008年の展望を話してもらう。

» 2007年12月26日 08時00分 公開
[聞き手:怒賀新也,ITmedia]

 情報システムはネット企業にとって生命線だ。SNSのグリーに続き、今回は価格比較サイトのECナビのシステム本部長に2007年を振り返り、2008年の展望を話してもらう。

 「新システムは合宿で開発することが多いんです」。価格比較サイト運営のECナビでシステム本部長を務める對馬利康氏は話す。システム開発に限らず、内定者合宿、富士山登山合宿など合宿でメンバーとの交流を深めながら仕事を進めるのがECナビの特徴だ。

2008年は「海外を含め外に情報を発信していく年にしたい」と話す對馬氏

 2007年はページビューが10〜15%増えたという同社。新たにソーシャルブックマークサービスを開始し、2008年2月には検索エンジンを一新する予定という。同社の行く年来る年を對馬氏に聞いた。

ITmedia 2007年はどんな年でしたか?

對馬 ソーシャルブックマークのサービス「Buzzurl(バザール)」への取り組みが面白かったです。ソーシャルブックマークとは、あるサイトに集まった人々がお気に入りのサイトを提供し合い、ランキング風にして公開するシステムです。(Yahoo!など)大きなポータルサイトにBuzzurlの記事へのリンクが張られたりすると、ページビューが伸びます。

 悩みは、ソーシャルブックマークを含め、Web上でのサービスをお金に換えるのが難しいということです。広告モデルなどが有力ではあります。「αブックマーカー」のような人を増やして、サイトを盛り上げることで可能性を広げる考えです。

システム開発は合宿で

ITmedia システムはどのような方法で開発しますか?

對馬 Buzzurlも含め、ECナビでは合宿をしてシステムを開発することが多いです。軽井沢で8人くらいというのがよくあるケースです。インターネットにつながればどこでも仕事ができるIT企業の良さともいえます。

 米国のサイトを参考にしながら夜遅くまでシステム要件を考えたり、温泉に入りながら議論したりするなど、頭を柔らかくして開発することを重視しています。わたしは開発するシステムについてのニュースリリースを書くことが多いです。対外的に発表するニュースリリースは仕様書と同じように重要な役割をすることが多いからです。合宿では必ず打ち上げをして、酒を飲むなどしてメンバー同士で交流します。

 システム担当者は全体で25〜30人ほど。4つある事業部に2〜5人ほどの技術者がいます。それ以外がシステム本部に所属し、インフラや基盤システムの管理を担当しています。

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