今度は避けたい――サーバルームに初詣で悲しき女子ヘルプデスク物語(2/4 ページ)

» 2007年12月26日 08時00分 公開
[鐙貴絵,ITmedia]

バックアップは丸ごと

 何をいまさら…と思われるかもしれないが、意外と忘れがちなのが「バックアップ」だ。いや、ウチは定期的にバックアップするようちゃんとスケジュールしているよ、という方も、お休みに入る前に、その定期的なスケジュールが問題なく機能しているかどうか確認しておくことを、強くお勧めする。

 バックアップ管理の方法や方針は、サーバマシンとクライアントPCとで明確に異なる。まずはクライアント側だが、「年末、空調の止まった寒い部屋」で「長時間稼働させない」ので、もしかしたらサーバよりも厄介かもしれない。このような環境では、年明け早々ハードディスクがトラブルを起こしそうな気配がするではないか。また不思議なことに、長い間稼働し続けてきたPCを、休みだからといってシャットダウンさせると「自分はもう十分働いた…」とばかりに二度と目覚めない、ということが往々にして起こる。クライアントPCは何らかの形で、OSもろとも「丸ごとバックアップ」しておくべきだ。

 サーバマシンも同様である。復旧の利かないデータはきちんとバックアップしていたとしても、システム領域のバックアップはいかがだろう? お盆と正月は、システム部分もきちんとバックアップする、良い機会ではある。しかし、稼働中のサーバのハードディスクを丸ごとバックアップするのは大変な作業だ。師走の忙しい時期に、わざわざサーバを止めてバックアップするのでは、少々問題も出てくる。

 そこで、サーバが稼働中であっても、サーバを丸ごとバックアップすることができる「無停止バックアップ」の導入を検討してみてはどうだろう。

 Windows Server 2003が標準で持つ、いわゆる「NTバックアップ」は、従来のものに比べていくぶん賢くなった。<スタート>−<プログラム>−<アクセサリ>―<システムツール>の中にある、アレである(ちなみに、Windows XP Professionalにも実装されている)。

 また、バックアップ対象をWindows OSの標準機能に限定するのであれば「自動システム回復(Automated System Recovery、以降ASRと表記)」も利用できる。ASR は、Windows OSのバックアップとリストアを実現するための機能で、Windows XP以降のOSで利用可能である。市販のバックアップソフトほど高機能ではないものの、OSそのものの上書きリストアも可能である分、使い物にはなる。バックアップ対象は、OSがインストールされているシステムパーティション全体だ。ただし、ユーザーが利用しているデータ領域についてはバックアップ/リストアの対象外である。

 これ以外にも、各社から有償のソフトウェアが発売されている。自社のサーバで提供しているサービス内容と、ツールの各機能をチェックして内容の合ったものを選んで欲しい。また、無停止でバックアップできる対象となる範囲も、製品によってまちまちである。至れり尽くせりのツールは決して安いわけではないが、年明け早々からサーバが動かないような事態が発生したときの被害額はツールの金額よりはるかに大きいだろう。

ベンダー 主なバックアップツール
シマンテック Veritas NetBackup
日本CA ARCserve
NEC iStorage
プロトン AcronisTrue Image 9.1 Server
ムービット ディザスタリカバリ・ツール2.0

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