職場でのスマートフォンの利用には使用方針を定めるべき(3/3 ページ)

» 2007年12月27日 09時02分 公開
[Ian-Palmer,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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アクセスしてもよいのは誰なのか

 モバイルデバイスを禁止することに対する従業員の評判はおそらく悪いだろう。しかしだからといってIT部門は、自分のスマートフォンを使って企業ネットワークにアクセスしたいという従業員のすべてに全面的な承認を与えるわけにはいかない。

 フォックス氏は次のように述べた。「問題となるのがスマートフォンで、従業員がそれを仕事に使うということなのであれば、そのスマートフォンは企業の資産だと見なされて、長距離料金などのネットワーク料金はすべて企業が持つということになるだろう。そのためわが社では携帯電話、スマートフォン、PDAについてかなりの回数の監査を行なっているが、膨大な費用が掛かっている。おそらく従業員1人につき1カ月当たり60カナダドルから300カナダドルほど掛かっているだろう。しかもそれは通信コストのみで、それとは別にサポートコストも必要だ」。

 ダーリン氏によると企業のCIOは、各部門に属するユーザーのコミュニティーをできる限り生産的に保つ方法――より生産的に仕事を行うために本当にスマートフォンを必要としているのは誰なのかなど――を見極める必要があるという。

 「基本的な問題は『ファイアウォールの外側から企業ネットワークにアクセスする必要があるのは誰か?』ということだ。モバイルデバイスの使用の必要性を判断するためには、さまざまなユーザーコミュニティーを見分けなければならない」。

 IT部門は、携帯電話の必要性を正当に認めることができる従業員が何人なのかの判断を適切に行えたとしても、それでもやはりサポートするデバイスの種類を制限すれば、かなり楽になることができるだろう。

 例えばフォックス氏によるとFox Groupでは、よく使用されるBlackBerryの3つのモデルに統一して、その3機種については購入、サポート、月々の費用を企業が負担することを従業員に告知したとのことだ。出先での仕事に関連する特別な用事のためにどうしてもほかの種類のモバイルデバイスを使用せざるを得ないという一部のケースを除いて、Fox Groupは指定したBlackBerryの3機種以外はサポートしないのだという。

 「わが社の場合、特定の数個のモデルに統一したことで、月々の費用を25%節約できた。節約できた分の経費はソフトウェアやノートPCのアップグレードなどほかの目的に使用できる。市場には何百種類ものモデルが出回っているため、使用方針がなければまさに悪夢だ。さらに言えば、企業が規則を定めない限り、IT部門はさまざまな方面からの要求に応えなければならず、くたびれ果ててしまうだろう。またコストの管理も難しい」。

 とはいえフォックス氏は、職場での個人所有のスマートフォンの使用はまったく正当化されないと考えているわけではない。同氏は例として、保険の支払額の査定を行う人であれば、事故現場の録画が可能なモバイルデバイスが必要となることもあるだろうし、建設業界の人であれば建設現場の写真撮影が必要となることもあるだろうと述べた。しかし仕事に関係のないことをするために個人所有のスマートフォンを使用している場合には、従業員はIT部門がそのスマートフォンをサポートすると期待するべきではないだろうという。

 結局のところ、従業員も個人所有のラジカセを同様にサポートしてもらおうとは思わないはずなのだとフォックス氏は指摘した。

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