ついに手にしたOLPCのXOラップトップSuper Review(4/4 ページ)

» 2008年01月09日 11時30分 公開
[Joe-Barr,Open Tech Press]
SourceForge.JP Magazine
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結論:バグや問題、期待外れな点はあるが素晴らしいでき

 ご想像のとおり、最初の公式リリースである今回のXOには幾つかの問題があった。まず、初日に購入/寄贈したのにXOがクリスマスまでに届かなかった人がいた。この点はOLPCプロジェクトの大きな目標の1つだったはずだ。また、クリスマスに間に合うように届いてもハードウェアの問題に遭遇した人もいた。実は、わたしもその1人だった。ディスプレイに欠陥があって使えない状態だったのだが、IRC(irc.freenode.netにはOLPC/G1G1のチャンネルが幾つかある)のボランティアの1人による素晴らしい原因究明活動とわたしの得意技である泣き落としのおかげで、別のディスプレイユニットを送ってもらい、クリスマスイブにはツリーの下でXOを正常に動作させることができた。

 今もまだ、自分で修理できたことに驚いている。というのも、どう考えても自分はハードウェアに弱い方だからだ。古いディスプレイユニットを新しいものにつけ替えるに当たって、小さなねじを取りこぼしたり、リボンケーブルを固定するための見慣れないラッチを開け閉めしたりと、わたしにとっては胃の痛くなるような数時間を過ごした(ベテランの技術者なら10分もかからずに済んでいただろう)。だが幸いにして、IRCのボランティアが問題の原因をズバリ言い当ててくれたおかげで、わたしのXOは問題なく動作するようになった。どうもリボンケーブルの1つがきちんと取りつけられていなかったようだ。元のディスプレイユニットは、OLPCの技術者が問題を特定できるように送り返しておいた。

 ソフトウェアのバグについては、レコードアクティビティでマイクの感度を調整できないことに気づいたくらいだった。IRCチャンネルから得た情報によれば、G1G1プログラムによってXOを受け取った大部分の人はこのデバイスに満足しているようだ。ただ、誰もが思い知ったのは、XOがMacBook Proの代わりにはならないということだ。もちろん、XOはそうした狙いで作られたものではないし、寄付をしたほとんどの人はそのことを十分に承知していたはずだ。

 使っているうちに、「Adobe Photoshop/MS Office/Halo(そのほかの重要な作業)が実行できない」といった不満が出てくる。だが、そうした不満のほとんどは見当違いの期待から生じたものだ。XOは、決して普通のノートPCの廉価版としては作られてはいない。XOは発展途上国の子どもたちに(そのほとんどはこれまでコンピュータを見たことも使ったこともなかった子どもたちだ)IT時代の恩恵を与えるために作られたものだ。

 1台を購入してもう1台を寄贈(Get 1 and Give 1)するために400ドルを気前よく出そうと考えている人々には、ケネディ大統領の言葉を借りた次のアドバイスを贈りたい。「問題はあなたのために OLPCが何をしてくれるかではなく、OLPCのためにあなたに何ができるかだ」。寄付の受付はすでに一度延長されていて、2007年12月31日までとなっていた。

 何が素晴らしいかというと、それはOLPCチームの活動が実を結び、そして今もその効果が続いていることだ。ネグロポンテ氏と彼のチームはほんの何年かで夢をビジョンにし、そして現実のものにした。Microsoftからはあざけりを受け、ハードウェアの面ではIntelなどから容赦ない競争を仕掛けられたにもかかわらず、彼らはXOの実現に成功したのだ。何より、ソフトウェアはフリー/オープンソースソフトウェアによって支えられているので、時間が経っても問題なく改善されていくだろう。非公式な数値だが、北米におけるXOの数は今や2万台を超え、さらに増加中である。開発者の増加は、アクティビティのさらなる増加につながる。OLPCの関係者は、ネグロポンテ氏本人からRed Hat社員、IRCで支援に当たる学生まで、全員が自分たちの成し遂げたこと、そしていまなお継続中の活動を誇りに思うべきだ。

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