CodeGear――Borlandから分社後の1年間を振り返って(2/2 ページ)

» 2008年01月11日 06時00分 公開
[聞き手:Darryl K. Taft,eWEEK]
eWEEK
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―― CodeGearの総合戦略や事業スキームにとってEclipseは重要ですか。

ダグラス オープンソース全般は、当社の戦略の重要な部分です。オープンソースの出現は津波のようでした。市場を激しく襲い、その力を増強し続けています。われわれはオープンソースの熱心な支持者ですが、オープンソースコンポーネントの容易な導入と活用に対する市場の期待が高すぎるように思います。オープンソースコンポーネントは、ばらばらに開発されています。オープンソースコンポーネントを本格的に活用することによって初期投資コストを節約できるかもしれませんが、連携に伴う運用コスト(費用と労力)という明白な相殺効果があります。当社の戦略の核となるのは、顧客がオープンソースコンポーネントのベスト・オブ・ブリードを効果的に導入、活用できるようにすることです。

 われわれは、必要な連携技術に加え、商用あるいはオープンソース市場が十分対応していない分野におけるプロプライエタリ技術を提供することにより、本格的な開発環境を実現します。Eclipseはこの構想の非常に重要な部分です。Eclipseフレームワークは、この価値命題を実現するための強固な基盤を提供します。

―― CodeGearは2007年に、PHPやRailsなどの動的言語向けのツールの分野に進出しました。2008年には、ほかにどんなイノベーションを期待できるのでしょうか。

ダグラス われわれは以前からRuby on Rails(RoR)市場の発展に大いに注目しており、2008年中にはRoRがエンタープライズ分野への進出を始めると予想しています。この市場でわれわれが狙っているのは、アイデアと技術の両面でリーダーとなり、この新興市場が急速に発展するのに貢献することです。PHP分野では、2008年にCodeGearから面白い新製品が出てきますので期待していてください。

―― Web 2.0は最近、すっかり流行語になりました。Web 2.0に対する見解、およびこの分野でのCodeGearの取り組みについて聞かせてください。

ダグラス 盛んに喧伝されていますが、非常に曖昧な言葉です。その意味を10人に尋ねると、少なくとも5つの異なる答えが返ってくるでしょう。市場にフォーカスした見方(ビジネスプラットフォームとしてのソーシャルネットワーキング)を示す人もいれば、技術的な視点に立った見解(AJAX:Asynchronous JavaScript and XMLなど)を述べる人もいるでしょう。

 われわれはWeb 2.0を技術的な観点で考えています。われわれのチームは本格的な開発者の集団なのですから。

 多くの人々がWeb 2.0の定義に含めている支援技術コンポーネントについて言えば、われわれはこういった技術を自社の製品に組み込んでいます。例えば、当社のすべての主要製品でAJAXライブラリを利用できるようになっています。これらのライブラリは当社で開発したものもあれば、サードパーティー製やオープンソースのものもあります。わたしが特に関心を抱いているのは、いかにしてWeb 2.0技術を使いやすくし、従来のデスクトップ、クライアント/サーバ、エンタープライズアプリケーションのユーザーエクスペリエンスを根本的に変革するかということです。

 2年ほど前までは、Webのユーザーエクスペリエンスは比較的貧弱なものでした。デスクトップアプリケーションの方が、はるかにリッチなエクスペリエンスを提供していました。Web 2.0技術でユーザーエクスペリエンスの相対的「リッチ度」が逆転したのです。WebならびにWebベースのアプリケーションは、今日のデスクトップアプリケーションよりもはるかにリッチなユーザーエクスペリエンスを提供しています。われわれは、伝統的なアプリケーションの開発者に、Web 2.0の優れた部分を活用するための技術を提供することにより、彼らが優れたユーザーエクスペリエンスという形でより大きな価値を顧客に提供できるようにしたいと考えています。

―― CodeGearでは、自社のJavaツールであるJBuilderの推進および同製品ラインのアップデートに真剣にコミットしているのですか。

ダグラス われわれは極めて真剣です。JBuilderは当社の成長物語で重要な役割を演じています。2007年にリリースしたJBuilder 2007は、「Best Java IDE of the Year」という業界賞を受賞したばかりです。この製品ラインに対する市場での高い評価および開発者からの支持に感激しています。このクラス最高のJava開発機能を今後も拡張するのが当社の方針です。2008年には、JBuilderに関連した非常にクールで面白い製品をリリースする予定です。

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